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心を打たれた感覚というのは、今まさにこの瞬間の事を言うのだと
私は初めて理解した。
シューズの乾いた音。
バレーボールが弾く音。
『かっこいー…』
ポロリと声に出た本音。
私の声に二人の後ろ姿が私の方へ視線を移す。
『あれ、影山くん。』
一人はクラスメイト、もう一人はオレンジ髪の
「影山、お前の友達!?ま、ま、まままさかカノ…ッ!?」
「んなワケねぇだろ!ボケ!」
…うん、なんか、とっても元気な子。
『私、一年の柿谷Aです。』
「影山と同じクラスじゃん!俺、日向翔陽!
どうしたの、こんな時間に。何か用事?」
『あー…間違えて早く来ちゃってさ。する事なくて探検してたの。』
朝練を中断させてしまった。
もっとさっきの見てみたい、と思う反面、そんな怪しさだらけな発言はヤバいのではと理性が働く。
名残惜しいが、仕方がない。
じゃあまたね、と立ち去ろうとした。
「じゃあさ!!ボールあげてくんない!!」
体育館のライトが眩しいのか、それとも彼の存在が眩しいのか。
『…わ、私にできるなら。』
キラキラと擬音がつきそうなほどまっすぐな瞳で私を捉える彼。
私の言葉を聞いた途端跳ね上がる彼と、
後ろで少し眉を上げたクラスメイト。
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いもり - すごい面白いです...!今すごーく良い感じの距離感なのでこれからどう縮まるのか気になります...!(*´д`*)ドキドキ更新頑張ってください! (4月1日 17時) (レス) @page22 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ととととトマト | 作成日時:2024年3月29日 2時