いやいや、ただのバレー馬鹿。【影山飛雄】 (ページ17)

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本日、快晴。

私は昨日とは違い余裕たっぷりで仙台市体育館に足を運ぶ。

室内は人がまばらになっており、あの雑踏とした様子はなく、まとまりがあった。

自販機で水を選び、カチカチと音が鳴る。

視界の端で烏の名に相応しいであろう真っ黒のジャージが目に入った。

しかし体育館に向かう様で、声をかけられずに視線ばかりを送ってしまう。

「あ。」

途端に振り返った影山くんとバッチリ目が合ってしまう。

慌ててペットボトルの蓋を閉め、なんて声をかければ良いか慌てふためく私。

少し大声を出さないと届かない距離だ。

限られた数秒。私は自分の手を強く握り締めた。

『…ッ！！』

他の学生たちもいる中で叫べるわけがなかろう。

私はペットボトルを片手にガッツポーズを送る。

肝心の影山くんは一瞬目を見開き、笑ってくれた

朗らかな笑顔とは正反対の表情だったが、確かに彼らしい笑顔であった。

なんだ。

思いの外私もなんて単純な性格だろう。

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「えなにあれ、岩ちゃん。」

「あ？なんだよ。」

「岩ちゃんもがっつり見てたよね！！？

まさかあの飛雄に！！彼女！？？」

「うるせー。アイツだって彼女くらいできててもおかしくねーだろ」

「おかしいに決まってんじゃん！

何あのいかにも青春って感じ！！

こっぴどく振られて別れろ！」

「ほんとクソ野郎だな。」

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