13, ページ15
.
『サイコーだったよ!!』
「あっ!!!柿谷さん!!!」
試合が終わり、挨拶をしにこちらにやってくる烏野のバレー部の方達。
日向くんや影山くん以外の部員を見るのは初めてだ。
元気いっぱいに手を振ってくれる日向くんに負けじと手を振り替えせるのは、おそらく私も少し興奮気味だったからだろうか。
「おっ!?日向テメー俺を差し置いて彼女かテメゴラァ!?」
「おい田中静かにしろ!!」
わあ、日向くんが胸ぐらを…。
流石は先輩。縦社会。
「彼女じゃないっすよ。」
「そ、うです…。」
「田中!!後輩をシメるな!!!」
前回よりも試合が理解できたのはひとえに二人のおかげだ。
「あ、もしかして君いつも二人の朝練に付き合ってる子?」
グレーの髪がかった先輩が私を指さしていた。
『は、はい。そうです。』
どうして知っているんだろう。
特別不思議な事ではないが、少しドキリと胸が跳ねる。
バレー部の人たち全員の視線が私に集められるのだから。
私の返答を聞くや否や、どこか知っていましたと言わんばかりの顔をされた。
__________
今日の烏野の試合はこれで終わりらしい。
朝から何も食べていなかったので、観戦し終わった後は近くの売店でおにぎりを二つ買ってルンルンで包装されているビニールを破く。
歩きながら食べるなんてはしたない?
おにぎりを二口で食べるのは女子の食べ方じゃない?
いいじゃないか。友人はおろか、知人の目一つも無けりゃたまにはこれくらい。
片手で携帯のマップと交互に歩道を見ていたせいで目の前の壁に頭をぶつけた。
いや、壁ではない。
『はふっふふ、ふふふっ、ふお!』
「…」
衝動のまま無理やり喋ったせいか喉が詰まり、自分の胸を叩く。
「青根!?何して…ってうああ!はい水!ほら、飲みな?」
軽く頭を下げて、差し出されたボトルをグビグビと飲んでいく。
『すみません、助かりました。
…さっき烏野と戦ってた方ですよね。
___めちゃくちゃカッコよかったです!!』
伊達の鉄壁…?だったか。まさに人間鉄壁そのものだった。
それに間近で見ると首が痛くなるくらい身長大きいー…
予想外の反応だったのか、それとも他の感情なのか私の発言に驚いている様子だった
.
215人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いもり - すごい面白いです...!今すごーく良い感じの距離感なのでこれからどう縮まるのか気になります...!(*´д`*)ドキドキ更新頑張ってください! (4月1日 17時) (レス) @page22 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ととととトマト | 作成日時:2024年3月29日 2時