鎖が六本 ページ6
Aは思ったより物分かりが良いようで、首領に逆らう事なく黙って構成員になる事を決めた。
後は中也にこの世界の常識と体術を教えさせれば大丈夫だろう。
「さて……中也ぁ？いるかい？」
「あ？ 手前何の用だ」
態と戯けた調子で云うと任務明けで疲れた顔をした中也が出て来た。
「君の新しい部下を連れて来てあげたんだ、感謝し給え！」
「はァ？ 誰が手前に感謝なんかするかよ。つーか何だ新しい部下って」
中也に見えるようにAを前にだした。Aは少し怯えている。
「彼女、月宮A。この前の任務で君が気絶させた女の子、異能力者だったんだよ」
「あ？ それがそいつと何の関係があるんだよ」
「中也、背だけじゃなくて脳味噌も小さいの？ それが彼女なんだよ。彼女の異能で自分が主人と決めた人間の命令の為に身体能力を上げられるんだよ」
「そうかよ。んで？ 何でそいつが俺の部下なんだよ」
「頭だけじゃなく察しも悪いね中也。君が彼女の主人になるんだよ」
「はァ？ 俺が？ つか手前一々悪口云うのやめろ」
「えーそれは無理かな？ だって中也がチビで頭悪くて察しも悪いのは事実でしょ」
「あ？ 手前巫山戯んな！」
本当に中也は怒りっぽいんだから。
そもそも脱線してるって気付いてる？
「ほらほら、そんなに怒ると禿げるよ？」
「禿げねえよ！」
「Aちゃんも怖がってるじゃない、少しは静かにしたらどうだい？」
「あ？」
「ほらAちゃんも突っ立っていないで挨拶し給え」
Aは不安げに一歩前に出た。
「月宮Aです……」
中也はAに顔を近づけた。
女の子にそんなに顔を接近させるなんて無粋だねえ。
「こんな弱っちいのが異能力者ぁ？しかも俺の部下だと？」
「それを強くするのが上司としての務めでしょ？」
「それもそうだが……」
「とにかく私の役目はAを君の所に連れてくる事だけだから。後は二人でよろしくねー」
「あっ、てめっ、巫山戯んな！」
中也の声を無視して出て行った。
中也を主人として認めてくれるかなあ。まあ主人として部下を大切にするのは間違いない。
だが彼女は彼女で曲者だからなあ。
一人で笑みをこぼし、廊下を過ぎて行った。
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れい - 続き、楽しみにしています(*´∇｀*)/ (2017年8月3日 12時) (
レス) id: ea54add459 (このIDを非表示/違反報告)
徒長(プロフ) - れいさん» ありがとうございます！ (2017年8月3日 11時) (レス) id: f4aa93743b (このIDを非表示/違反報告)
れい - 読み方はボスですよ。 (2017年8月3日 11時) (レス) id: ea54add459 (このIDを非表示/違反報告)
徒長(プロフ) - ありがとうございます。読み方はしゅりょう、ですか？ぼすですか？ (2017年8月3日 11時) (レス) id: f4aa93743b (このIDを非表示/違反報告)
れい - 黒の時代での森さんへの呼び方は首領、探偵社入社後は森さんですよ。 (2017年8月3日 10時) (レス) id: ea54add459 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：徒長 | 作成日時：2017年8月1日 12時
