検索窓
今日:11 hit、昨日:0 hit、合計:71,241 hit

鎖が38本 ページ38

「太宰さん、らしくもないですね。
そんな風に悩んで……、泣きそうな顔をして。

何時もみたいに強引に、欲しいものは手に入れるのが太宰さん何じゃないんですか」

太宰さんはとうとう涙を零して俯いた。

「ねえ、私も気付いていたんですよ。

最初から、貴方に初めて会った時から、貴方が私の主人だと。

だから中也さまの言葉では異能本来の力が発揮されなかった。
でも見てください。今、私は貴方の、太宰さんの命令で此処までやってのけた。

私の主人は元々太宰さん一人。

お互い、気付いていたんですよ。気付かない振りをして、逃げて、誤魔化して。

私、貴方のモノになりますよ。元から貴方のモノでしたから。

才能なんて、如何だっていい。貴方の為を苦しめる才能ならなくたっていいんです。
私に必要なのは、貴方の側にいる為の才能です」

此れが私の本心だと感じた。
太宰さんと同じ、ずっと隠していた思い。

重い体をゆっくりと起こし、
涙で一杯の縋るような目を向ける太宰さんを抱きしめた。

「……いいのかい? 其れで君の未来が……」
「いいのですよ。
私、運命なんて言葉を信じたりしないんですけど、でも此れは……運命、という言葉が一番正確であるような気がします」
「うん……」

太宰さんの背を撫で、私の涙が太宰さんの肩に染みを作っていくの黙ってをみていた。





「やっぱり太宰君はそれを選んだか……。
太宰君もまだまだ青いねえ」

首領が盗み聞きしている事など知らずに。

鎖が三十九本→←鎖が37本



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (48 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
114人がお気に入り
設定タグ:文スト ,
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

れい - 続き、楽しみにしています(*´∇`*)/ (2017年8月3日 12時) (レス) id: ea54add459 (このIDを非表示/違反報告)
徒長(プロフ) - れいさん» ありがとうございます! (2017年8月3日 11時) (レス) id: f4aa93743b (このIDを非表示/違反報告)
れい - 読み方はボスですよ。 (2017年8月3日 11時) (レス) id: ea54add459 (このIDを非表示/違反報告)
徒長(プロフ) - ありがとうございます。読み方はしゅりょう、ですか?ぼすですか? (2017年8月3日 11時) (レス) id: f4aa93743b (このIDを非表示/違反報告)
れい - 黒の時代での森さんへの呼び方は首領、探偵社入社後は森さんですよ。 (2017年8月3日 10時) (レス) id: ea54add459 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:徒長 | 作成日時:2017年8月1日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。