検索窓
今日:2 hit、昨日:46 hit、合計:16,236 hit

40 ページ40

「解けたんだ、流石だねA。」

『っ…!』

やはり気配を察知できない。



「喋ったら殺すって言ったよね?」

サルビアは零をぎろりと睨む。

「…まぁいいや。Aに思い出してくれるのが先だ。」

私に近づいてくるサルビア。再び私を縛り付けようとする素振りはない。その手には…



黒い花?



「はい。どうぞ!」

両手で花を私に差し出す。その花の香りがふわあ、と漂ってくる。

あ、いい匂い…

そういえば、サルビアって花の名前だったような…

「A!その匂いをかぐな!!サルビアには幻覚作用があるんだ!!!」

零の声。げん、かく…?



瞬間。ぐらりと世界が揺れる。暗闇にサルビアが立っている。その隣には…お父さん?



何?何か言っている?



こちらを見るサルビアは今見た彼より幼い。父は顔が見えない。



あれ…サルビアの顔、どこかで見たことあるような…



ずきん、ずきんと頭が痛む。歩み寄ってくる彼。



誰…だれ?





貴方は…





『…あ、』





「A!!!零!!!」

パン!パン!

響く銃声。私は意識がはっきりとし、元の部屋に戻る。零が叫ぶ。

「っ玲さん!」

発砲して鍵を壊したのか、ドアを蹴飛ばして入ってくる玲さん。

「ち…思ったより早かったな。まぁいいや。」

サルビアは私の近くに花を置いて、どこからか拳銃を取り出す。


あ…まずい。殺される。





誰が?





あれ、思い出せない。




『あ…』

上手く言葉が発せない。

「大丈夫だよ、A。もうすぐぼくを思い出すからね。」

花をもう一度私に近づけてくる。その匂いを強く吸う。ぐわんぐわんと脳がかき混ぜられているような感覚に陥る。



こいつはサルビアなんかじゃない。この人は…



「A!しっかりしろ!!A!!」



「A!!!A!!」



暗闇でこちらを振り向く顔が鮮明に見える。私とよく似ている。動いていた口が何を言っているか理解する。





Aお姉ちゃん。





『あ、か、ね…』





私の弟。茜。










パン



「ぐぁっ…!!」

弾は隣で縛られている人の肩をかすめる。

「っ零!!」

その人に駆け寄る人。

どちらも知らない人…?



「Aお姉ちゃん、お姉ちゃんも撃ってみて。あの黒髪の人の心臓を狙って。」

茜が拳銃を私の手に握らせて、黒髪の人を指す。

「A!?!?おい、しっかりしろA!!!」

その人はひどく動揺しているようだ。どうして私の名前を知っている…?

41→←39



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (36 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
82人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 降谷零
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

- 久しぶりに来たら続きが更新されててうれしい🎵⤴️ (8月22日 15時) (レス) @page50 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
微睡(プロフ) - 泉さん» ありがとうございます!ゆるりと更新していくので読んでやってください! (8月5日 10時) (レス) id: abcbb5d66a (このIDを非表示/違反報告)
- 1ページの文字数が少なくて読みやすいです! 更新頑張って下さい! (8月4日 7時) (レス) @page6 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:微睡 | 作成日時:2023年7月31日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。