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『うん…迷惑かけて…ごめん。』
零がふはっ、と笑う。
「Aが謝るなんて、明日は雷かな。」
私が謝った次の日、雷が鳴り続くような大雨だったのは警察学校時代に本当にあったことだ。
零が私の頭をくしゃり、と撫でる。
「…Aはいつも頑張ってるよ。昨日も、今日もこんな暑い中張り込みし続けて。」
零は優しく撫で続けてくれる。
「いつも僕達にコーヒー淹れてくれるだろ。」
『別に…それは自分の分のついでだし…』
「ついでだとしても素敵なことじゃないか。皆感謝してるぞ。それにA、自分の通常業務が終わったら後輩の事務作業手伝ってるだろ。少しでも早く帰らせるためか?優しいな。」
『…ん…』
「ちゃんと僕は知ってるぞ。Aがいつも頑張っている所。頑張っているんだから休むのも大切だ。」
『うん…』
「僕がちゃんとAを褒めるから。」
『うん…』
「僕が褒めるだけじゃ足りないか?」
零と目が合うと、零はふわりと笑う。
『…足りなくない。』
「はは、そうか。なら良かった。」
私はベットに横になったまま両手を伸ばし、零の顔を私の方に近づける。
『零も偉いね。』
零の頭を両手でわしゃわしゃと撫でる。
「ちょ、A…!」
『零だって昨日も今日も張り込みしてたでしょ。それに零が担当していた大きな事件が終わったばかりで疲れてるはずなのに、そんな素振り全然見せないでさ。』
「…」
『零のことも私が褒めてあげるからね。』
大人しく私に撫でられ続けている零の顔をそっと覗き込む。
零は目をつぶっている。でも口角は上がっていて、喜んでいるのが分かる。
『ふふ…偉いね、零。』
私を褒めてくれたお返しだ。存分に褒められるが良い。(??)
零がポケットに入れていたスマホが振動する。
スマホを開いて内容を確認している。
「玲さんから連絡だ。標的を確保したって。こちらの張り込みに気付いたのか、突然逃げ出したらしい。」
零が笑みを浮かべながら顔をこちらに向ける。
「しかも喜べ、捕まえたのは昨日の後輩2人だぞ。」
昨日の可愛い2人を思い出す。おぉ、良く頑張ってくれたねぇ…先輩は嬉しくて涙がでちまうよ…
「どーいう感情なんだ、その顔は…」
零はそう言いながらジャケットを羽織る。
『零は仕事戻っちゃうの…?』
「ん?ああ、仕事が残ってるからな。Aはここでまだ寝てていいぞ。今日は帰ってくるから夕飯一緒に食べよう。」
ーーーーーー
まだ続きます。
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泉 - 久しぶりに来たら続きが更新されててうれしい🎵⤴️ (8月22日 15時) (レス) @page50 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
微睡(プロフ) - 泉さん» ありがとうございます!ゆるりと更新していくので読んでやってください! (8月5日 10時) (レス) id: abcbb5d66a (このIDを非表示/違反報告)
泉 - 1ページの文字数が少なくて読みやすいです! 更新頑張って下さい! (8月4日 7時) (レス) @page6 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:微睡 | 作成日時:2023年7月31日 18時