検索窓
今日:17 hit、昨日:17 hit、合計:16,205 hit

22 ページ22

『だあぁ〜〜〜〜〜あっっっちいぃ……』

「Aうるさい。」



私は今日も張り込みだ。このくっっっそ暑い中、また標的は外を呑気に歩いている。前回とは違うカフェで可愛い店員さんを口説いている。

しかも今日のペアは零だ。全然可愛くない…

滴る汗を拭う。コンクリートが余計に私達に熱をじりじりと与えてくる。



『はぁあ…暑いし…隣にいるのはむさくるしい金髪ゴリラだし…』

「今言った言葉全て撤回しろ…暑い日に暑い暑い言ったら余計暑くなるだろ。あぁ暑い…」

『金髪ゴリラもだよ…暑いな…』

体温が上がり過ぎている。自分が立っている感覚がよく分からなくなってくる。

なんだか零の金髪もぼやけて見える。

あれ?金じゃなくて…青?

「っA!!」

体が地面に叩きつけられる感覚。コンクリは熱を帯びていて火傷しそうだ。今すぐ起き上がりたいのに、体が動いてくれない。あぁ、こんがり焼けてしまう…

私はそこで意識を失った。










『ん…』

目を開けると白い天井。病院…?かと思ったが違う。見覚えのある部屋。かけられた布団に残るよく知っている甘い匂い。



「起きたか、A。」

ガチャリ、とドアが開けられ、零が顔を出す。

『…うん。』

ここは零の部屋だ。警察学校を卒業してから何回か来たことがある。

「張り込み現場からだと、警視庁より僕の家の方が近かったからな。既に玲さんには連絡してある。Aは今日はこのままここで休め。」

零が私にコップに入れられた水を差しだす。

私はベットから起き上がる。体が左右に揺られる感覚。



『…張り込みはどうなったの。』

水を受け取ってこくり、と飲む。あぁ、体にしみわたっていく…

「Aが倒れて直ぐに連絡して代わりの人に来てもらった。来るまでの間、標的に動きはなかったよ。」

そう言って零は私の肩を押してベットに戻す。まだ体調が万全でないことがバレたか…

「張り込みの方は大丈夫だ。だから今日は寝てろ。」

零がベットの端に腰かける。



「…それより玲さんから伝言だ。倒れるまで無理するな、自分の体調を第一に考えろってさ。」

私は両目を左腕で覆う。

『…うん。そうだよね…』

分かってる。そんなこと。分かってるけど…



『…頑張ったら、玲さんが褒めてくれると思って…』

「それで無理したのか?」

『うん…迷惑かけて…ごめん。』

零がふはっ、と笑う。

「Aが謝るなんて、明日は雷かな。」


ーーーーーーーー

続きます。

23→←21



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (36 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
82人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 降谷零
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

- 久しぶりに来たら続きが更新されててうれしい🎵⤴️ (8月22日 15時) (レス) @page50 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
微睡(プロフ) - 泉さん» ありがとうございます!ゆるりと更新していくので読んでやってください! (8月5日 10時) (レス) id: abcbb5d66a (このIDを非表示/違反報告)
- 1ページの文字数が少なくて読みやすいです! 更新頑張って下さい! (8月4日 7時) (レス) @page6 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:微睡 | 作成日時:2023年7月31日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。