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ー張り込みをしている零と後輩ー
後輩side
私は零さんと張り込みをしている。零さんはさっきAさんに口に入れられたアイスを既に舐めきっており、その棒を見つめている。いや、標的見てくれよ…
私は今回の標的をじっと見つめながら零さんに聞く。
「あの…零さんってAさんと…」
「付き合ってないからな。」
付き合ってるんですか。そう聞く前に遮られる。
「あ、そうですか…そうですよね…」
「そうですよねってなんだ…これでも少しはアピールしているつもりなんだが…」
零さんは汗で張り付いた前髪を少しうざったそうにして顔を振る。
「零さんがAさんのこと好きで、すごいアピールしてるのは公安の皆さん知ってますよ…でも、Aさん鈍感だから…」
「…やっぱそうだよな…はぁ…」
零さんは肩を落とす。
「以前、公安の女性達で飲みに行った時もAさん、玲さん…あ、桐生さんの話しかしなくて…」
飲みに行ってすっかり酔っぱらったAさんの様子を思い出す。顔を赤くしながら『玲さんがーー…玲さんはさーーー…』と、ずっと玲さんの話をしていた。
「そっっうだよなあ…はあぁ…」
零さん…降谷さんさっきにも増してがっくりと肩を落とす。相変わらずれいれい分かりにくいな。
「まぁ、元気出して下さい…可能性がゼロってわけじゃなさそうですから…」
「ほ、ほんとか!?!?」
目をキラキラとさせながらこちらを見る零さん。イケメンだな!!!!じゃなくて標的見てよ…
「零さん声が大きいです…飲みに行ったとき、Aさん10回に1回くらいは『金髪ゴリラが〜〜…』って言ってましたから…」
「…金髪ゴリラ…」
「…はい、金髪ゴリラです。」
「…」
「金髪ゴリラです。」
零さんが大きくため息をついて、ぼそりと呟く。
「Aには名前を覚えてもらう所からだな…」
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泉 - 久しぶりに来たら続きが更新されててうれしい🎵⤴️ (8月22日 15時) (レス) @page50 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
微睡(プロフ) - 泉さん» ありがとうございます!ゆるりと更新していくので読んでやってください! (8月5日 10時) (レス) id: abcbb5d66a (このIDを非表示/違反報告)
泉 - 1ページの文字数が少なくて読みやすいです! 更新頑張って下さい! (8月4日 7時) (レス) @page6 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:微睡 | 作成日時:2023年7月31日 18時