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No side



男子更衣室のドアががちゃり、と開けられる。

中は零1人だけだ。既に着替えを終えてネクタイを締めている。



「っわ!玲さん…どうしたんですか。」

零が音に気付いて振り返ると、そこにはスポーツタオルを片手に持った玲。

つかつかと零の方へ近づいて頭からタオルを掛ける。

「着替えてるのは良いが…その様子じゃ体まともに拭いてないだろ。風邪ひくぞ。」

玲はぐしゃぐしゃと零の頭を拭く。

「ちょ、玲さん…!分かりましたから!自分で拭きます!!」

零は少し顔を赤くして玲の手からタオルを奪う。

「そーか?さっきAは俺に大人しく拭かれていたけど。」

玲がにやり、とたくらんだような笑顔を見せる。

「ちょ、更衣室入ったんですか!?!?犯罪だぞそれ!!!!」

零が目を見開いて怒る。

「おー、よしよし怒らないの。零も俺が拭いてあげるから。」

「僕が怒っているのはそっちじゃない!!」

そう言いながらも小さな子供のように大人しく頭を拭かれる零。

零を拭く手が頬まで下りてくる。ふわり、と顔を拭かれ、首に掛けられるタオル。



「今回も良く頑張ってくれたね。ありがとう。」

玲はまだ拭いたばかりで少し湿っている零の頭を撫でる。

「本来なら俺が担当するような内容だったんだけど…生憎まだ怪我が治ってないからむやみに動くな、と医者に止められてね。」



「…見たくないものも見ただろう。」



零は先ほどの倉庫で見た様子を思い出す。

倉庫に入って目にしたもの。取引相手に服を脱がされる標的。嫌がった声を出すが、表情は明らかに興奮していた。取引相手は標的の露になっただらしない体に注射器の針を向けていた。この後何をする気だったのだろうか。あの注射器の液体には何が入っていたのか。

こんなものをAに見せなくて良かった。

それだけを思い、冷静を取り繕って標的達に話を始めた。話している間、零の手は震えを隠すように強く握られていた。



「…いいえ。大丈夫です。」

零は目を伏せて言う。

「自分1人で抱えきれなくなったら話においで。トラウマなんかになったら大変だ。」

「…はい。」

「いつでもフォローするからね。」

玲はぽん、と零の肩を叩いて更衣室から出ていった。

閉められたドアをじっと見つめる零。





「…いや、女子更衣室入ったんだよな!?!?!?」

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- 久しぶりに来たら続きが更新されててうれしい🎵⤴️ (8月22日 15時) (レス) @page50 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
微睡(プロフ) - 泉さん» ありがとうございます!ゆるりと更新していくので読んでやってください! (8月5日 10時) (レス) id: abcbb5d66a (このIDを非表示/違反報告)
- 1ページの文字数が少なくて読みやすいです! 更新頑張って下さい! (8月4日 7時) (レス) @page6 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:微睡 | 作成日時:2023年7月31日 18時

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