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「A、そっちの準備は終わったか?」

『うん、今向かう。』

マイク越しに零と会話する。



私は零が担当する事件の取引現場とされるパーティー会場に来ている。

本当はウエイトレスとして潜入する予定だったが…突然会場側から断られてしまった。今回の標的に何か勘づかれたのかもしれない。私と零は客として潜入することになった。

私は胸元が開いた白のパーティードレスを着て零の待つ会場受付へ向かう。



『お待たせ、零。』

「…行くぞ。」

零はいつもとは違う漆黒のスーツ。大人びた妖艶な雰囲気を纏っている。少し玲さんみたいで格好良いかも…



とか思ってないけどね!!!仕事だしね!!!!!



「標的発見。」

零が襟に付けたマイクを少し口に近づけて言う。その先は玲さんに繋がっている。

「よし、そのまま追え。」

『了解。』

私は耳に付けた大きな花形のピアスに小型マイクが取り付けている。

私達はさりげなく、そして確実に標的に近づいていく。当の本人は周りの客と大きな声で会話している。

お酒の入ったグラスを持っているものの、全く口にしていないようだ。

『…今日取引があるのは確実ね。』

「ああ。」

零にしか聞こえない声で呟く。標的が辺りをちらちら確認しながら会場を出ていく。

『標的の移動を確認。追います。』

私と零も会場から出て後ろをつける。



立ち止まったのは少し歩いた所にある倉庫。周囲には人の気配はせず、とても静かだ。人が歩いていたら直ぐに分かってしまうだろう。

空はもう暗く、どんよりとした雲に覆われている。

「倉庫に入ったぞ。」

中から標的と誰かの話し声がする。既に取引は始まっているのか。

私達は目を見合わせる。これだけで何を伝えたいのかは分かる。警察学校以来の信頼関係だ。



私は倉庫の陰に隠れる。太ももに付けたベルトに拳銃が納まっていることを確認する。

零が勢いよく倉庫のドアを開け、明るい声で話し出す。このまま丸く収まって、取引をしている彼らが大人しく出てきてくれるといいが…



零が倉庫に入ってそのまま確保出来たら私は近くで見張っている仲間に連絡。零以外の人間が出てきたら即座に撃つ。

私は拳銃を静かに引き抜く。小さく息を吐いて、倉庫の方へ集中を向ける。





バンッ





強く開かれる扉。

ダメだったか…

私は倉庫の前へ出て、動いた影を確認する。零でも標的でもない。取引相手か。



ーーーーーーーーー

続きます。

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- 久しぶりに来たら続きが更新されててうれしい🎵⤴️ (8月22日 15時) (レス) @page50 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
微睡(プロフ) - 泉さん» ありがとうございます!ゆるりと更新していくので読んでやってください! (8月5日 10時) (レス) id: abcbb5d66a (このIDを非表示/違反報告)
- 1ページの文字数が少なくて読みやすいです! 更新頑張って下さい! (8月4日 7時) (レス) @page6 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:微睡 | 作成日時:2023年7月31日 18時

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