聴こえない ページ6
鶴丸国永ver
「ぁ、り…がとう、ござぃ…ます」
ふと、か細く、鈴が鳴ったかの様な綺麗な声が耳に入ってきた。
隣を見ると、耳まで真っ赤にした女子が居て
「きみ が……言ったのか？」
「…………、」
恐る恐る聞いても、反応無く。数秒 待っても、それは来なかった。
俺は べたべたになったぺん を持って、彼女の前に置いてあるのーと に書いていく。
書き終わると、肩を叩き
「………っ！」
女子が勢いよく俺を見て、何かをを言いたげに口を開く。
目尻には綺麗な…金色の様な雫が溜まっていて、つうっ と一直線に彼女の頬を伝っていく。
綺麗で、綺麗で
あまりにも綺麗で、息を吸うのも忘れてしまうほどで。
「ゆっくりで構わない…まだきみ を信用した訳じゃないからな
俺もここの詳しい事は言えない。
だが、きみ と前の人は違う人間だ。
俺は、そんなきみ と言う人間を…信じてみたい」
ゆっくりと、慎重に。
壊れてしまいそうな彼女を壊さないように、優しく。
言い終わると女子が、口を動かしながら''ありがとう''と何回も言っていた。
言い過ぎだろう そう呟いても、きみ には聴こえていないのだろうか。
俺は小さな頭をゆっくり と、一期が藤四郎兄弟を撫でるみたいに、優しく撫でる。
ひっく としゃくりながら…それでも笑うきみ は、何万年も生きて来た俺より強く見えた。
.
『ごちそうさまでした』
口だけを動かし、女子はそう言った。
皿の上は綺麗に食べられていて、よほどお腹が空いていたことが分かった。
がた と椅子から立ち、お皿を持って厨房に向かう彼女を見ながら、俺は考えていた。
果たしてこの女子を皆に紹介しても大丈夫だろうか、と。
一期は前の男で弟達を、前々の女で三日月や鶯丸には籠の中の取り扱いを
この人は違う、この人は違うんだ…と思いながらも生きて来た俺達にとって、もう人を信じる事など0に等しい。
もう一度 本当に信じることが…出来るのか、俺は。
「なぁ、きみ」
俺は女子の小さな背中を見ながら、話しかける。
きみ は、違うんだろう？…あいつらとは
すぅ と息を吸って、俺は立ち上がる。
彼女の肩をつん と突いて、
「……大広間に行かないか」
.
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柚子×たいやき(プロフ) - 朔さん» もし指摘して下さるのなら、説明出来る範囲で説明致します。話を投稿する時は、私の方で再度検討いたしますので、今後も温かい目で見てくださると嬉しいです。私の完全な力不足です、本当に申し訳ありませんでした。 (2019年4月30日 19時) (
レス) id: d382c0e04c (このIDを非表示/違反報告)
柚子×たいやき(プロフ) - 朔さん» もし私の表現で不快にさせてしまったのなら、申し訳ないです。 どこの場面でしょうか？私はまだ未熟な学生なので、難聴という病を調べてみましたが、私の力不足だったのかもしれません。 (2019年4月30日 19時) (レス) id: d382c0e04c (このIDを非表示/違反報告)
朔 - 聴こえてないのに突然話しかけられて驚くんですね笑笑 (2019年4月24日 7時) (レス) id: c3964f1a90 (このIDを非表示/違反報告)
柚子×たいやき(プロフ) - 空さん» 返信遅くなり申し訳ないです。今まで諸事情で書けないでいましたが、書かせて頂きます。ですが、私は今年受験の身なので、ペースは遅いかもしれないです。待っていて下さって、本当にありがとうございます。頑張ります (2019年4月2日 15時) (レス) id: d382c0e04c (このIDを非表示/違反報告)
空 - もう書かないんですか？面白いので続き気になります (2019年1月7日 4時) (レス) id: e5333279ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚子×たいやき | 作成日時：2017年5月6日 15時
