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「…モニターを割ったレコさんは、誰かの変装だったって事ですか…?」
「口調や受け答えも、レコ本人としか思えなかった。声ももちろんレコそのもの…だったけどねー。おまわりさんは……どっちかといえば、Aちゃんの意見に賛成かな。」
「ボクは違うと思うな…腕に傷がついてる人物…それがニセモノさ。」
「でも…レコちゃんのフリをして、ミシマ先生に会いに行く理由なんてあるんでしょうか。私も…ソウさんの意見よりも、Aちゃんの意見に近いです。」
だんだんと、頭も痛みを覚えてぼやけてくる。
時間をかけて、私の体にリクトウオオサソリの毒が根を張り巡らしていく。
次はこれの三倍の苦しみ……私、平気なフリを続けられるかな。
今のところ誰にもバレて無いけれど。
ーーーーー
(三人称視点)
”レコのニセモノ“という趣旨での話し合いは進み、彼らの中でノエルがレコのニセモノなのでは、という方向へ進んだ。
人形はそれを黙って聞いていたが、ある時点でゲラゲラと笑い始めた。
その異様な笑い方に、様々な憶測が飛び交っていた場が静まる。
「あほくさ…あ〜あ…無駄なおしゃべりが好きだねー………教えてやるよ。あの時のレコは本物だ。」
まあ、Aの推測も間違ってなかったよね〜。と、一人呑気に喋り続けるノエル。
「あはは…オレが生きた人間の服なんか、着るわけないじゃん。みじめに死んでいく、可哀そうな人間の服を着るのが最高に気持ち良いんだ…わかるかな?」
ノエルは両腕で自身の体を抱きしめ、まるで言い聞かせるかのように自身の趣味を語り始める。
誰かが狂ってる、と独り言を漏らした。
ノエルはそれが聞こえているのか、そうではないのか。特にそれに対して反応を示さなかった。
「…くっ……だったら…その手袋の中を見せてみたらどうだ!」
まるで屈しないという風に、サラが核心を突いた。それさえ見れば、全てわかると信じて。
それを何とも思ってないノエルは、いとも容易く手袋を外した。
その手に傷は一つもない。
「満足したかー?」
わざわざその手を周囲にこれでもかと見せつけてから、ノエルは再び手袋をはめた。
それを見せつけられたカンナやナオは、絶望した表情を見せた。無駄に時間を浪費しただけなのか、とナオが絶望する。
それに対して一人、そうでもないとケイジが言った。つられてナオがどういうことだと、ケイジの方を見る。
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でででででん(プロフ) - 匿名さん» ありがとうございます!なんとか5月中に2章完結目指して頑張ります。笑 (2020年5月20日 23時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 何度もコメントすみません…今日更新多くて嬉しいです…!(( お体にはお気をつけて!これからも楽しみにしています! (2020年5月20日 22時) (レス) id: cc998c0500 (このIDを非表示/違反報告)
でででででん(プロフ) - しきさん» え?そう言ってくれて嬉しい… (2020年5月16日 7時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
しき(プロフ) - え?表紙好き… (2020年5月16日 1時) (レス) id: 0c957ac632 (このIDを非表示/違反報告)
でででででん(プロフ) - 匿名さん» ありがとうございます…! (2020年5月14日 21時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:でででででん | 作成日時:2020年4月28日 9時