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「私は見たんです!レコちゃんがミシマ先生のモニターを破壊するところを!!でもレコちゃんを信じてました!!だから、ずっと誰にも言わずに…私は…!!」
「何の話だ…!?オレは全く覚えがねーよ!!いい加減にしろ!ナオ!お前、ちょっとどうかしてるぜ!!」
「ま、待ってください……そんなことより、早くしないとAさんが……!」
『大丈夫だよ、カンナちゃん。多分この毒はすごい遅効性……まだ私は平気、心配しないで!』
カンナちゃんが、私を心配して言った。大分不安にさせているようなので、私はまだ大丈夫だと彼女に笑いかけた。
しかし実のところ、すでに毒は私の体を侵食しつつある。
けれどそれを言えば更に心配させてしまう。
そのため真実を伏せて、元気な私を演じ続ける。その演技に騙されてくれたのか、少しだけ彼女は安堵の色を目に映した。
『ねえ、サラ。実は私もレコさんに疑問を感じてる部分が前からあったの。……この話、深く考えてみようよ。』
「………分かった。…ナオさん、続けてください…!」
ナオさんは深くうなづき、続きを話す。
彼女のその後の話によれば、彼女はミシマ先生の所へは二度と行かないと決めたと言っていた。
ここまでは私も知っている話だ。
しかし、その後。
どうしても耐えきれなくなり、ミシマ先生の元へ行ってしまったそうだ。おそらく私が行った時間よりも後のことだろう。
そしてモニタールーム付近まで移動すると、大きな音が鳴ったらしい。ガシャン、と言う表現からしてきっとモニターが割れた音だ。
突然のことに驚いた彼女は、リビング…ロビーに身を潜めたらしい。
その後見たのは、腕から血を流し、モニタールームから出て行くレコさんの姿だった。手のひらには、何かの破片…おそらくモニターガラス、が刺さっていたらしい。
「今思えば…その時くらいから…ずっと、様子がおかしかった…!」
ナオさんは、青ざめた顔でレコさんから目をそらした。自らの片腕をもう片方の腕でギュッと握っている。
「一体何を隠しているんですかぁ!!」
「ケイジさん、モニターの調査はあなたがしてましたよね…」
サラからの視線が向けられたケイジさんはしばらく黙った後、浅く息を吐いて言った。
それを重要視するなら話そう、と。
「…証言しよう、確かにミシマ先生のモニターを割ったのはレコだよ。」
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でででででん(プロフ) - 匿名さん» ありがとうございます!なんとか5月中に2章完結目指して頑張ります。笑 (2020年5月20日 23時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 何度もコメントすみません…今日更新多くて嬉しいです…!(( お体にはお気をつけて!これからも楽しみにしています! (2020年5月20日 22時) (レス) id: cc998c0500 (このIDを非表示/違反報告)
でででででん(プロフ) - しきさん» え?そう言ってくれて嬉しい… (2020年5月16日 7時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
しき(プロフ) - え?表紙好き… (2020年5月16日 1時) (レス) id: 0c957ac632 (このIDを非表示/違反報告)
でででででん(プロフ) - 匿名さん» ありがとうございます…! (2020年5月14日 21時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:でででででん | 作成日時:2020年4月28日 9時