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ロビーに戻ると、サラちゃんが一人夕飯を取っていた。
他には誰もいないようだ。
『サラちゃん、前良いかな……って、どうしたの、その顔！？』
「え……ああ、A……」
先程は、彼女の背中しか見えなかったために気づかなかったが、目が赤い。幸いにも目は腫れていないが、おそらく泣いたんだろう。
夕飯だって、一口食べた形跡があるだけ。
そのまま放置されていて、もう湯気が出ていない。
『……何かあった？』
「いや…別に、何も……」
『話したくないなら聞かないけど。もし、そうじゃないなら……言った方が楽だと思うけれどなぁ。』
椅子を引いて座り、メニュー表を開いて一番興味を惹かれた物を頼む。
今日は……おでんと茶飯にしよう。
「……聞いてもらっても、良いか？」
『もちろんだよ、私で良ければ。』
「その……」
彼女の話では、こうだった。
私が医務室に行っている間。Qタロウさんがカンナちゃんに、パソコンを渡してしまったそうだ。そのため、ケイジさん、サラちゃん、カンナちゃん、ソウさんで揉めたらしい。
この話を聞いて、ようやく私は“ソウさんの欲しい物”が何か分かった。
それから彼女がこんな顔をしているのは、その時に起きた取引が原因だと話してくれた。
ケイジさんは、サラちゃんにメダル五十枚を渡さなかった。
それはすなわち……彼女はその人から真の意味で、信頼されてはいないということ。あの二人はよく一緒にいる。
それなりの関係があったはずだ。
……それもあるから、余計傷ついてしまったのだろう。
「………私、こんなことで泣いて……みっともないな。」
『そんなことないよ。』
彼女の目の周りに張り付く涙を、ハンカチで拭き取った。
「あ…すまない……」
『大丈夫 大丈夫。……あ、これハンナキーに貰った物で、新品で汚くないから。安心して？』
「ああ、いや……それは気にしてない。」
『え？本当？女子ってこういうの気にすると思ったんだけど……』
顔に何かが触るの、嫌がる子居るからな。
クラスメートの女子が、美容の関係で良くないの！と、鼻息荒く私に教えてくれたことを思い出す。
『サラちゃんは……優しいから。それは自然なことだよ、みっともないなんて言わないで。』
「私は、優しくなんか……だって、ジョ…ッ！！」
ジョー
その名前を彼女が言い終える前に、口にハンカチを押し付けた。
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でででででん(プロフ) - 匿名さん» ありがとうございます！なんとか5月中に2章完結目指して頑張ります。笑 (2020年5月20日 23時) (
レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 何度もコメントすみません…今日更新多くて嬉しいです…！(( お体にはお気をつけて！これからも楽しみにしています！ (2020年5月20日 22時) (レス) id: cc998c0500 (このIDを非表示/違反報告)
でででででん(プロフ) - しきさん» え？そう言ってくれて嬉しい… (2020年5月16日 7時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
しき(プロフ) - え?表紙好き… (2020年5月16日 1時) (レス) id: 0c957ac632 (このIDを非表示/違反報告)
でででででん(プロフ) - 匿名さん» ありがとうございます…！ (2020年5月14日 21時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：でででででん | 作成日時：2020年4月28日 9時
