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「ガァァ！！助ける方法は…ゼロなのかよ…！！」
喉の奥から絞り出されたレコさんの声が、この部屋に響く。
鑑賞室に囚われた三人もまた、酷く苦しんでいる。唯一他より責務が軽いといえば、膜で守られたこの人達なのかもしれない。
直接的には誰のことも助けられず、命の危機に晒されることもない。
勿論誰も助けられないことは、苦しいことではあるけれども。
「その鑑賞室では誰かを犠牲にすることで、装置を止めることができるんだ。」
「テメェェェ！」
鑑賞室についての説明をするノエルに、怒号を飛ばすレコさん。
「でもさー、テメーらラッキーなところもあるよー！なっ、ハンナキー！」
「……最下位がQタロウさんでしたら百kg以上はありましたので……。三人とも降りないと助けられなかったと思います。」
「ほら、残り時間ちゃんと気にして話してるー？そろそろ……この話し合いも終わりだねー。決めたほうが良いんじゃないかな…誰が犠牲になるか…を。」
そうだ、時間。
おそらく先程聞いた時間から考えると………まずい。もう僅かな時間しか残されていない。
Qタロウさんを説得…いや、この際説得は諦めよう。あの人は頑固だ。説得していたら、手遅れになるかもしれない。無理にでも彼処から退いてもらおう。
無理にでも退かす方法…………
脅し？
「え？どうしたのー？そのために考えて続けてきたんでしょー？」
いつの間にか静かになった空間で、ノエルが喋った。上の方では真っ青な三人がノエルを見つめている。多分、誰が降りるかで行き詰まってしまっている。
変わるなら、今が良いだろう。
『Qタロウさん。』
静まり返った場所で名前を呼べば、周囲の視線が一斉に私に集まる。
『“私と場所を交換する”って、言ってください。』
Qタロウさんの目が揺らぐ。ギンくんは、もう殆ど泣いているように見えるが…泣きそうな顔で私を見ていた。
“もう大丈夫だよ。”
安心させるために、ギンくんに向けて笑顔を浮かべる。
「そ、それは…………」
『出来ないなんて言わせない。Qタロウさん、昨日の事…………私に許可を出さないのなら、分かりますよね？』
「グ、グゥ……！」
昨日の事。
昨日の、自販機前の階段での出来事。
それを使って脅しても、依然として許可を出さない。
困ったな、もう時間がない。
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でででででん(プロフ) - 匿名さん» ありがとうございます！なんとか5月中に2章完結目指して頑張ります。笑 (2020年5月20日 23時) (
レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 何度もコメントすみません…今日更新多くて嬉しいです…！(( お体にはお気をつけて！これからも楽しみにしています！ (2020年5月20日 22時) (レス) id: cc998c0500 (このIDを非表示/違反報告)
でででででん(プロフ) - しきさん» え？そう言ってくれて嬉しい… (2020年5月16日 7時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
しき(プロフ) - え?表紙好き… (2020年5月16日 1時) (レス) id: 0c957ac632 (このIDを非表示/違反報告)
でででででん(プロフ) - 匿名さん» ありがとうございます…！ (2020年5月14日 21時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：でででででん | 作成日時：2020年4月28日 9時
