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122(第2章 裁定の間) ページ25

自室を出てロビーに行くと、まだ誰もいなかった。

しばらく待てば勝手に集まるだろうと思い、もう見慣れてしまった椅子に深く腰掛けてみんなを待つ。


しばらく待つと、一人、また一人とロビーに集まる人数が増えていく。


全員集まると、ノエルが口元に札を当てながら姿を現した。





「予想外だねー…ゴキブリみたいにしぶといじゃん、テメーら。」

「ナメないで!ゴキブリよりしぶといのよ!!」

「はいはい、お見それしましたよー。…正直、一人くらいは死ぬと思ってたからねー
まあいいや、テメーらには今から付いてきて欲しい場所がある。」





付いてきて欲しい場所とは、メインゲームの会場のことだろうか。

Qタロウさんも同じことを思ったらしくノエルに尋ねると、それはまだだと楽しそうに口にする。

楽しみは最後にとっておかないと。
それを言うあの人形の目は真っ黒で、赤い渦巻き模様が浮かび上がっている。



私は好きなものは先に食べる派のため、ノエルとは気が合わなさそうだ。
後に残しておくなんて、危険すぎる。

全くノエルの言っていることは理解できない。





「ほら、テメーら後ろを向いてみなよ。」





言われて後ろを振り返れば、機械音とともに緑色の扉が出現した。

なんてハイテクな。





「つーか殺されたくなかったら付いてきなー」





ノエルは呑気な足取りで扉の向こう側へと向かって行った。

それを見たナオさんが戸惑いの言葉を口にする。





「…大丈夫、おまわりさん達はルール通りに攻略したんだ。無茶はしてこないハズ…だよ。」

「仕方ないニャン、付いて行くワン……」





ゾロゾロとノエルに続いて、みんな向こう側に行ってしまった。


私もそろそろ行こうか。
あまり遅いと怒られてしまう。


私は椅子から腰を浮かせて、誰も居なくなったロビーを見渡した。

三日も過ごしたせいか、慣れ親しんだ教室にいる感覚だ。おかしいな、ここは人が死ぬために用意された場所なのに。




ああ、いけない。

扉の向こうから私を呼ぶ声がする。


早く行かないと。


私は急いで暗い向こう側へと、足を踏み入れた。

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でででででん(プロフ) - 匿名さん» ありがとうございます!なんとか5月中に2章完結目指して頑張ります。笑 (2020年5月20日 23時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 何度もコメントすみません…今日更新多くて嬉しいです…!(( お体にはお気をつけて!これからも楽しみにしています! (2020年5月20日 22時) (レス) id: cc998c0500 (このIDを非表示/違反報告)
でででででん(プロフ) - しきさん» え?そう言ってくれて嬉しい… (2020年5月16日 7時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
しき(プロフ) - え?表紙好き… (2020年5月16日 1時) (レス) id: 0c957ac632 (このIDを非表示/違反報告)
でででででん(プロフ) - 匿名さん» ありがとうございます…! (2020年5月14日 21時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:でででででん | 作成日時:2020年4月28日 9時

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