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朝食を食べ終わった後、私は自販機が設置されている階段の方へ向かった。
レコさんが今朝言っていた、アトラクションを見に行くためである。
『……コレか。』
確かに彼女の言う通り、前には無かったはずの扉がそこに存在していた。
一度誰かがクリアすると入れないらしく、開けてみようと試みてもびくりとも動かなかった。
嘘の間をこの目で見ることができたので、アトラクションを攻略しようと階段を降りていると、Qタロウさんが階段の下の方に居るのを見つけた。
ずっと床を見ていて、私には気づいていないらしい。
そのまま階段を降りて声をかけると、こちらを見た。
階段の高低差のおかげで、目線の高さが同じになる。普段は見上げるしかなかったので、なんとなく不思議な気分になった。
しかしそんな気持ちもすぐに消えて無くなる。
理由は目線が水平に会う目の前の人の顔である。いつものハツラツとしていて元気な様子ではなく、眉間にしわを寄せて何か焦っているようにみえた。
何かあったのかと疑問に思っていると、Qタロウさんが帽子のつばを目深に下げた。
「……なぁ、A。お前さん、メダルは持ってるか？」
『持ってますよ。』
挙動不審な大男に疑問を抱いたまま返答すると、様子が変わった。
「十枚でいいんだ！交換してくれぜよ。……オレは…四十枚出すぜ…悪い話じゃ…ねえだろ？」
妙に言葉が途切れ途切れに繰り出されている。普段ならもっとハキハキと繋げて話している、この人が。
虫の良い話は、裏がある。
何かあるのは明らかだ。
『少し、考えてもいいですか？』
「あ、ああ……」
四十枚出して、十枚しか得られない。
それになんの得がある？
Qタロウさんとは別段親しいわけでも無ければ、心配されるような間柄でもない。ならばその十枚に重大な価値があるということだ。
“十枚で良い。”
あと十枚で、何かができるのかな……？
自分のメダル四十枚を捨てる以上に、価値のある他人のメダル十枚。
何かを交換したい、ということだろうか。
『ところで、私と交換して何に使うんですか？』
「そ、それは……ほら、アレだ！クリアチップじゃ！どうしても……クリアできねぇのがあってよ。」
『なるほど………それは大変ですね…すみません、あとちょっとだけ考えさせてください。』
「わ…分かったぜよ……」
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でででででん(プロフ) - 匿名さん» ありがとうございます！なんとか5月中に2章完結目指して頑張ります。笑 (2020年5月20日 23時) (
レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 何度もコメントすみません…今日更新多くて嬉しいです…！(( お体にはお気をつけて！これからも楽しみにしています！ (2020年5月20日 22時) (レス) id: cc998c0500 (このIDを非表示/違反報告)
でででででん(プロフ) - しきさん» え？そう言ってくれて嬉しい… (2020年5月16日 7時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
しき(プロフ) - え?表紙好き… (2020年5月16日 1時) (レス) id: 0c957ac632 (このIDを非表示/違反報告)
でででででん(プロフ) - 匿名さん» ありがとうございます…！ (2020年5月14日 21時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：でででででん | 作成日時：2020年4月28日 9時
