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サラちゃんがマスコットを手に取り、まじまじと見つめる。
「あの時に…拾ったワン…。誘拐犯に取られるの…嫌だったニャン。だから…」
「ギン、よくやった。もらっても…いいかな?」
「喜んで…くれるニャン?」
「ああ…これは大事なものなんだ…。ありがとう、ギン。」
そう言うと、サラちゃんは大事そうにマスコットを握り締めた。
「良かったニャン!えへへ…。」
そんな彼女を見て、ギンくんが嬉しそうに笑った。その後、治療も済んだのでギンくんとサラちゃんが医務室を出て行く。
ギンくん、サラちゃんの順に部屋を出て行き、最後にケイジさんが部屋を出ようとした。
『待ってください。』
ケイジさんが入り口で止まって、こちらを振り返る。
その顔はいつも通りで、特に怒っているといった様子は感じ取れない。
『幻影を見たこともない小娘がしゃしゃり出やがって、と思ったと思います。』
「そんなことは…」
こんなに言葉遣いを悪くしては考えていないだろうけれど、余計な行動をとは思われた気がする。そもそもケイジさんは、見せない方が良いと言っていたのだから。
幻影を見ている彼が言うのだから、それは間違っていない。むしろ私の行動は彼女の“幻影の悪化”を助長させるのは分かっている。
『確かに、犬のマスコットを貰ったことで彼女の幻影は酷くなっていくと思います。』
「……」
『サラちゃんを苦しめるのは、造られたジョーくんです。でもサラちゃんを支えて、救えるのは本来のジョーくんです。……思い出して欲しいんです、本当の彼を。そのためには、彼の遺品を渡してあげるべきだと思いました。』
彼の遺品を持たせるのは、今のサラちゃんには危険なことだ。でも、今のままではずっと幻影に怯えるようになってしまう。
大事なのは、彼女が幻影を取り払えるように成ることだと、あの時思ったのだ。
……それが、今は余計な行動だったとしても。
『すみませんでした、勝手な行動をして。』
深く頭を下げる。
自分のした行動の全てが間違っているとは思わない。それでも、ケイジさんには悪かったと思っているのでしっかりと謝る。
「……いや、おまわりさんも慎重になりすぎていた。今のサラちゃんにとっては危険なことだけど……そうだね。長い目で見れば、Aちゃんの言ってることも間違ってない。」
相手の意見を一度認めるあたり、やっぱりケイジさんは良くできた人だと思った。
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でででででん(プロフ) - ぁぃぅぇぉさん» (ニッコリ) (2020年8月19日 6時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
ぁぃぅぇぉ - 待って最初のやつポルナレh...やっぱなんでもありません (2020年8月19日 5時) (レス) id: 4f6210d2fe (このIDを非表示/違反報告)
でででででん(プロフ) - キミ死好きさん» 分かってくれる人がここに…!!ありがとう。 (2020年4月22日 10時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
キミ死好き - まぁあの笑顔みたいな顔iPadの壁紙にしてるから分かるよ (2020年4月22日 10時) (レス) id: bf60227ed4 (このIDを非表示/違反報告)
でででででん(プロフ) - キミ死好きさん» レコの生存ルートで、アリスがボンゴを渡した時に発生する最後のイベントが本当に好きなので……ごめんなさい。 (2020年4月21日 9時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:でででででん | 作成日時:2020年3月30日 19時