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『……分かりました。夜に見ようと思ってるので、また後で声かけますね。』

「はい…ありがとうございます。」




部屋に戻るためにロビーを出ると、入れ違いでギンくんとすれ違う。

その手には、大量のガムシロップとミルクがのせられていた。



すれ違ってから少しして、

「これなら苦くないニャン!!」

という声が聞こえたので、思わずクスリと笑ってしまった。









ビデオと睡眠導入剤とカセットテープを、テーブルの上に置いてから部屋を出た。再びロビーに戻って遠目で荒れた廊下を見ると、まだあの三人は取引をしていた。

メダルの交換にしては、やけに長い。


若干不審に思ったが、世間話をしているんだろうと思いとどめ、アトラクション攻略のために人を探す旅に出た。




なんとなく憩いの場に足を向けると、庭園にレコさんがいるのを見つける。彼女は石の上に座っていて、何か思い悩んでいる様子であった。

静かに憩いの場の扉を開けて、庭園に足を踏み入れる。




レコさんは地面を見ながら独り言を言っていて、私には気づいていないようだった。





『レコさん。……隣、良いですか?』


「……A。ああ、いいぜ。」





許可を得たので、レコさんの横の石の上に座った。彼女も気まずいと思っているのか、いつもみたいに積極的に話しかけてはくれない。

私は先程の事には触れず、あまり関係のない話をする。





『レコさん……割とどうでも良い話、聞きませんか?』

「どうでも……?……ああ、聞く……」

『ふふ、ありがとうございます。……実は私の家、すごく前にゴキブリが五匹出現したんです。』

「ゲッ……マジかよ……」





私の話に興味は示してくれたようで、彼女の眉が動いた。レコさんはあまり、虫が好きではないらしい。

見た目だけだったら、得意そうに見えるんだけどな……





『私の妹が、大の虫嫌いで……私に退治してくれって泣き叫んできたんですよ。』

「まあ……だろうな……」

『それで、私ゴキジェット持って、ゴキブリ達と対峙したんです。』

「おう……」





ふと彼女を見ると、気味が悪いというような顔をしていた。出来れば笑顔にさせるような話をしたかったのだが、あいにくそんな話のネタは持っていない。

でもまあ……さっきのような顔よりはマシだろうと思う事にして、続きを口にする。

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でででででん(プロフ) - ぁぃぅぇぉさん» (ニッコリ) (2020年8月19日 6時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
ぁぃぅぇぉ - 待って最初のやつポルナレh...やっぱなんでもありません (2020年8月19日 5時) (レス) id: 4f6210d2fe (このIDを非表示/違反報告)
でででででん(プロフ) - キミ死好きさん» 分かってくれる人がここに…!!ありがとう。 (2020年4月22日 10時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
キミ死好き - まぁあの笑顔みたいな顔iPadの壁紙にしてるから分かるよ (2020年4月22日 10時) (レス) id: bf60227ed4 (このIDを非表示/違反報告)
でででででん(プロフ) - キミ死好きさん» レコの生存ルートで、アリスがボンゴを渡した時に発生する最後のイベントが本当に好きなので……ごめんなさい。 (2020年4月21日 9時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:でででででん | 作成日時:2020年3月30日 19時

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