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『知恵の輪を解くっていう試練でしたよ。……ソウさんは何だったんですか?』

「ボクは……ナンプレだった。結構難しかったよ。」

『………………へー………やっぱり人によってバラバラなんですね。』





元々長い通路ではなかったので、すぐに光が見えた。

先に私が通路から出て、その後に続いてソウさんが出る。





「あ、ソウさん!」

「ふん、遅かったな……日和 楓。」

「ああ、ごめんごめん…。」





ソウさんと合流した彼らは、通路の前で話をし始める。

これだと今すぐに回収は出来なさそうだ。









回収を諦めた私は、ビデオを交換するために景品交換所へと移動した。





『ビデオ四つ、交換してください。』





人から貰ったメダル、八十枚を板の上に置く。それを数えた目の前の男は、確かに、と一言言ってメダルを回収した。

メダルを別の場所にしまうと、約束のビデオを四つ、差し出してくる。





『ありがとうございます。』

「……確かに受け渡しました。」





ビデオをポケットにしまって帰ろうとすると、あの男に引き止められた。

後ろを振り返ると、ビー玉のような目玉が私を捉えていた。それにゾッとして、何かが背中を伝う。





『何か用でも?』

「ああ、いえ…最近……此処で何か見かけませんでしたか?」

『その何かって……何ですか?』

「……いえ、知らないのなら良いのです。引き止めてしまい、申し訳ございません。」

『……はぁ、そうですか。』




知らないふりをしながら、景品交換所を出る。


その時も後ろから視線を感じた。

あのビー玉のような目が私を見ているのかと思うと薄気味悪く、視線を感じなくなったあたりで足早にロビーへと引き返した。






ビデオは夜にでも見ようと思い、一度余分な荷物を置くために、ロビーから部屋へ移動することにする。

ロビーのソファーの横を通ると、ナオさんに声をかけられた。





「あ、Aちゃん。……それってビデオですか?」

『はい、四つ交換してきました。また後で見ようかと思って……』





四つのカラフルなビデオを見せると、それまでふんわりしていたナオさんが、真剣な顔になった。





「……それ、私がご一緒しても良いですか?」

『え……それは勿論良いですけれど…ビデオ見るの……大丈夫ですか?』

「Aちゃんと一緒に見ればきっと、大丈夫です。それに二人で見た方が、そういうものも、お互い分けあえると思うので……」

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でででででん(プロフ) - ぁぃぅぇぉさん» (ニッコリ) (2020年8月19日 6時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
ぁぃぅぇぉ - 待って最初のやつポルナレh...やっぱなんでもありません (2020年8月19日 5時) (レス) id: 4f6210d2fe (このIDを非表示/違反報告)
でででででん(プロフ) - キミ死好きさん» 分かってくれる人がここに…!!ありがとう。 (2020年4月22日 10時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
キミ死好き - まぁあの笑顔みたいな顔iPadの壁紙にしてるから分かるよ (2020年4月22日 10時) (レス) id: bf60227ed4 (このIDを非表示/違反報告)
でででででん(プロフ) - キミ死好きさん» レコの生存ルートで、アリスがボンゴを渡した時に発生する最後のイベントが本当に好きなので……ごめんなさい。 (2020年4月21日 9時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:でででででん | 作成日時:2020年3月30日 19時

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