85 ページ37
瓦礫の中はけっこう暗く狭かった。そういう恐怖症を持つ人であれば、おそらく入れないような場所だ。
そんな瓦礫の隙間をしばらく進むと、何か部屋があるのを見つけた。部屋の中にはモニターと椅子と、それから赤い光を放つ何かの機械がある。
中に入ろうとすると、背中に何かが触れた。
後ろを振り返るとケイジさんがいる。
『あ……今朝以来ですね。ここに居たの、全然気付きませんでした。』
「あれ…もうちょっと驚くと思ったんだけどなー。」
『暗闇で何かに触られるのは結構慣れてますからね〜…あんまり驚きませんよ。』
「え……それって、人に？幽霊に？」
『あはは……夜道っていますからね……どっちだと思います？』
私は夜目が効く方なので、周りはよく見えている。
実はケイジさんがここにいたのは最初から知っていたけれど、気づいていてがん無視していたのでそれは黙っておくことにした。
少しだけ彼の顔が青ざめたのが見えて、かなり面白い。
もう少し脅かして遊ぼうかと思っていると、何か物音が聞こえた。
入口の方に、サラちゃんとQタロウさんがいる。
「遅かったねー、こっちこっち。」
ああ、元々合流する予定だったのか。
それだと私は部外者だし、出て行った方が良いのかな…？
「ケイジさんとA……？」
「A、何でここに…！？」
『えっと…たまたま隙間を見つけまして……邪魔なら出て行きますよ。』
「そ、そうなんか……」
「いや、大丈夫だよ。もうバレちゃってるし……せっかくなら一緒に見よう。」
お邪魔ではなかったようで、そのままここに居座ることになった。
「まあでも、静かに……これ以上他の人にバレないようにね。」
それから他の人の話を聞くと、ここを一番最初に見つけたのはQタロウさんで、ここでカイさんのパソコンを見つけたらしい。
Qタロウさんが瓦礫の奥から持ってきたノートパソコンを四人で見る。パソコンを起動すると、パスワードの入力画面が映った。
「ん…？まずい…充電マークが…」
『あ…もう充電が残り少ないんですね。』
「な…なにぃぃ…！？しまった…！充電が切れかけのままなのか…！！」
「だ、大丈夫です！パスワードは…わかっています…！！」
そう言うと、慣れた手つきでサラちゃんがパスワードを入力し始めた。
パスワードは彼女の苗字らしく、Chidoinという言葉が細い棒の中に映し出された。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 188人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「愛され」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
でででででん(プロフ) - ぁぃぅぇぉさん» (ニッコリ) (2020年8月19日 6時) (
レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
ぁぃぅぇぉ - 待って最初のやつポルナレh...やっぱなんでもありません (2020年8月19日 5時) (レス) id: 4f6210d2fe (このIDを非表示/違反報告)
でででででん(プロフ) - キミ死好きさん» 分かってくれる人がここに…！！ありがとう。 (2020年4月22日 10時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
キミ死好き - まぁあの笑顔みたいな顔iPadの壁紙にしてるから分かるよ (2020年4月22日 10時) (レス) id: bf60227ed4 (このIDを非表示/違反報告)
でででででん(プロフ) - キミ死好きさん» レコの生存ルートで、アリスがボンゴを渡した時に発生する最後のイベントが本当に好きなので……ごめんなさい。 (2020年4月21日 9時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：でででででん | 作成日時：2020年3月30日 19時
