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万が一二人同時に踊るタイプだったとしても、口封じができるのでソウさんを連れてきた。
実際は一人が踊るタイプだったのでとても安心した。
暗記だったら踊るよりも数百倍マシだ。
メモリーダンスは名前の通り、奥から出てくる何かの真似をして踊るというもの。
一体目の黒いモヤのような丸いモノを倒し、二体目の赤く下半身が存在しない薄気味悪いモノを倒す。そして次に出てきた三体目は、今までのモノとは違ってかなり人に近かった。
……たまに化け物のような変化はしていたが。
「随分と記憶力が良いんだね。」
『ありがとうございます、記憶力は人並み以上の自信があるので嬉しいです。』
三体目も無事に倒し終わり、アトラクションを出て荒れた廊下に戻ってくる。
行きとは違い、私の先を歩いていたソウさんが振り返った。
「ねえ、Aさん。メダルの交換しない?」
『……お互い三十枚なら良いですよ。』
「分かった、交渉成立だ。」
お互いに自分の顔が刻まれたメダルを渡す。
三十枚の交換にしたのは、犠牲者のビデオが欲しかったから。此処は情報が少ない。その中で犠牲者のビデオは数少ない情報源だ。知れることは、できるだけ知りたい。
……それに私が見た内容を要約して伝えれば、他の人の精神ダメージも少なくなる。
『ありがとうございました、また後で。』
ソウさんに軽く頭を下げると、軽く手を振って返事してくれた。
その後、特にやることもないのでロビーの方へ向かう。
ロビーに戻るとサラちゃん、ギンくん、ケイジさん、ハンナキーがいた。
よく見るとギンくんが怪我をしている。
『ギンくん、どうしたのその怪我?』
「A姉ちゃん……ちょっとアトラクションで怪我しちゃっただけニャン。」
『そっか……ギンくんは泣かない強い子だね。』
ギンくんの頭に手を乗せて、軽く撫でる。
私が撫でると目を細めるので、その様子から猫が連想される。さすが猫のような格好をしている子だ。
「あ…今から皆さんと一緒に医務室に行くんです。えっと…Aさんもご一緒にどうですか?」
そうなの?と言う意味を込めて、サラちゃんとケイジさんの方を向くと二人とも顔を縦に振る。
別に行かなくても良いかと思い断ろうとしたが、ふと自分の体も治療が必要だったことを思い出した。
『じゃあ、私も行きます。……医務室に行ってみたいし!』
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でででででん(プロフ) - ぁぃぅぇぉさん» (ニッコリ) (2020年8月19日 6時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
ぁぃぅぇぉ - 待って最初のやつポルナレh...やっぱなんでもありません (2020年8月19日 5時) (レス) id: 4f6210d2fe (このIDを非表示/違反報告)
でででででん(プロフ) - キミ死好きさん» 分かってくれる人がここに…!!ありがとう。 (2020年4月22日 10時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
キミ死好き - まぁあの笑顔みたいな顔iPadの壁紙にしてるから分かるよ (2020年4月22日 10時) (レス) id: bf60227ed4 (このIDを非表示/違反報告)
でででででん(プロフ) - キミ死好きさん» レコの生存ルートで、アリスがボンゴを渡した時に発生する最後のイベントが本当に好きなので……ごめんなさい。 (2020年4月21日 9時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:でででででん | 作成日時:2020年3月30日 19時