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「あ…A、姉ちゃん。」
『ギンくん……』
さっきのことで、二人の間に気まずい空気が流れる。
私はゆっくりとギンくんに近づき、目線を合わせた。
『……ごめんね、さっきは問い詰めちゃって。』
「……」
依然としてギンくんは黙ったままだったけれど、それでも構わず私は話を続けた。
『でもね、私……アレ読ませてもらったんだ。確かに内容は酷かったけれど……読んで良かったって思うよ。』
「な、何でニャン…？だって、あれはA姉ちゃんのことを…」
『……あのね、あれ…私の大切な人が書いたモノなんだ。どんなに酷い事が書いてあっても、私にとって大切なモノには変わりないの。』
「大切な、モノ……」
最初は日記だと思っていた内容も、遺書の書き方と酷似していた。
私が読んだ兄の遺書は、十枚。全部に赤く“ごめんなさい”と書いてあった。けれどその上に……あの紙切れと同じ日付が書いてあった。
最初に見た時は気づかなかったけれど、紛れもなく、あの紙切れは私が読んだ遺書の一部だ。
「A姉ちゃんは……その大切な人に、あんな事書かれて傷つかないニャン？」
『……分かんない。』
「え…？」
『何でだろうね……あれを読んで、自分がどう思ったかが分からないの。』
俯きながら、素直にそう答えた。
言葉に言い表せないとかじゃなくて、本当に。
本当に、あの遺書の一部にどういう感情を持ったのか……私には分からなかった。
ふいに、制服の袖を軽く引っ張られる。
「………A姉ちゃん。ボクと一緒にアトラクション…攻略して欲しいワン。」
『……！！……うん、私で良ければ。』
目線を合わせるために曲げていた膝を元に戻す。
「ボク、停滞エリア限界線ってヤツに挑戦したいニャン！」
『ん、分かった。行こっか。』
停滞エリア限界線……難易度は星三つ。
場所はモニタールームだったかな。
モニタールームに二人で行くと、モニター沿いにアリスさんとケイジさん、壁際にカンナちゃんとソウさんがいた。
一瞬ケイジさんと目が合ったが、お互い特に何も話さず、私達はそのままアトラクションに続く道へと歩いて行った。
『ギンくんはここで待っててね。』
「分かったニャン。A姉ちゃん、頑張ってワン。」
『うん、ありがとう。』
ギンくんの頭に手を乗せて、優しく撫でる。
すると、子供扱いするなと怒られてしまった。
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でででででん(プロフ) - ぁぃぅぇぉさん» (ニッコリ) (2020年8月19日 6時) (
レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
ぁぃぅぇぉ - 待って最初のやつポルナレh...やっぱなんでもありません (2020年8月19日 5時) (レス) id: 4f6210d2fe (このIDを非表示/違反報告)
でででででん(プロフ) - キミ死好きさん» 分かってくれる人がここに…！！ありがとう。 (2020年4月22日 10時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
キミ死好き - まぁあの笑顔みたいな顔iPadの壁紙にしてるから分かるよ (2020年4月22日 10時) (レス) id: bf60227ed4 (このIDを非表示/違反報告)
でででででん(プロフ) - キミ死好きさん» レコの生存ルートで、アリスがボンゴを渡した時に発生する最後のイベントが本当に好きなので……ごめんなさい。 (2020年4月21日 9時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：でででででん | 作成日時：2020年3月30日 19時
