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75(第2章 二日目) ページ27

翌朝。

私は大欠伸をして、ベッドから上半身を起こした。副作用が無いというのは本当らしく、寝起きでも頭がスッキリとしている。


洗面台で顔を洗い、鏡を見て身だしなみを整える。それらが終わると、椅子の上に放り出されたマフラーを首の上に巻いて、部屋を出た。









ロビーに到着すると、周囲からの視線を感じた。
周りを見ると複数の人達と目が合う。けれど、すぐに視線を逸らされてしまった。



なんだ、あの視線は……?



私が下を向くと、また誰かに見られている。
一体どうしてこんなに見られているのか。靴先を見つめながら考えていると、視界に小さな足が映った。

どうやらギンくんが私の近くに寄って来たらしい。視線を上げて見えた少年の顔は、昨日よりもやつれている。



昨日、何かあったんだろうか?





「………A姉ちゃん、おはようニャン。」

『おはよう。どうしたの、そんな顔して……?』

「あ…えっと……」





私が疑問を口にすると、挙動不審になる。その行動で、更に謎が深まる。

何かがあった事を確信して、ギンくんに再び尋ねようとすると、ケイジさんが横から割り込んで来た。





「昨日の深夜、ミシマ先生のモニターが割られたんだ。」

『え!?』





ミシマ先生のモニターが、割られた?

その事実を知って、酷く動揺した。昨日の夜、寝る直前まで話していたのに。


さっきの不可解なギンくんの行動はそれのせいなのか、と思って少年の方を咄嗟に見た。しかし、まだ何か言いたそうな顔をしている。


割った犯人が……意外な人だったとか?





『犯人、誰か分かったんですか?』

「いや、まだ調査中だよ。とりあえず今は、昨日モニタールームにいなかったレコとQタロウ…それからAちゃんに事情調査をしようと思って、ね。」

『そうなんですか……』





ギンくんが何か言いたそうにしていることが、件の犯人のことではないとすると……何を、こんなにも言いにくそうにしているんだろうか。

他の人達が私に向けてくる視線の理由とも、何か関係が……?





「えっと……昨日、何していたか教えてもらっても良いかな?」


『あ、はい。昨日は寝る直前まで、ミシマ先生と話していました。それから部屋に戻って……ついさっきまで、ぐっすり寝てました。』





昨日の出来事をそのまま伝えた。すると、先生と話していて何か気になった事が無かったかを、ケイジさんに聞かれた。

気になる事と言えば……

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でででででん(プロフ) - ぁぃぅぇぉさん» (ニッコリ) (2020年8月19日 6時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
ぁぃぅぇぉ - 待って最初のやつポルナレh...やっぱなんでもありません (2020年8月19日 5時) (レス) id: 4f6210d2fe (このIDを非表示/違反報告)
でででででん(プロフ) - キミ死好きさん» 分かってくれる人がここに…!!ありがとう。 (2020年4月22日 10時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
キミ死好き - まぁあの笑顔みたいな顔iPadの壁紙にしてるから分かるよ (2020年4月22日 10時) (レス) id: bf60227ed4 (このIDを非表示/違反報告)
でででででん(プロフ) - キミ死好きさん» レコの生存ルートで、アリスがボンゴを渡した時に発生する最後のイベントが本当に好きなので……ごめんなさい。 (2020年4月21日 9時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:でででででん | 作成日時:2020年3月30日 19時

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