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軽く、ミシマ先生のモニターをノックした。
『ありがとうございました。』
「はい……おや、Aさん…どうしたんですか?」
『どうしたって……何がですか?』
「酷い顔をしているので。その…ビデオで何かありましたか?」
そんなに今の私は、酷い顔をしていたのか。
プログラムではあるけれども先生は私のことを心配していた。
『いえ……ちょっと疲れてるだけです。』
先生のモニターから目を逸らし、カセットテープを取るためにしゃがんだ。
それから、放置されいるカセットテープを抜き取ってポケットにしまう。
『……』
「………Aさん?」
『あ、はい。…えっと、何ですか?』
「ずっとしゃがんだまま動かなかったので……もし私でよろしければ、何か聞きましょうか?」
ミシマ先生の手が、画面の向こう側から液晶に触れている。
カセットテープのことは話せないけれど。
何か話してみても良いんだろうか。
戸惑っている私を、先生は見ていた。ただ、私からの返答を待って。
少し、少しだけ……聞いてもらおう。
『私、昔から臆病で……勇気が無いんです。』
「……勇気?」
『はい……一歩を踏み出したいのに、それができなくて。』
「ふむ……」
私に勇気さえあれば。
勇気が出ないから、今ものうのうと生きている。
お母さんに殺されるのは癪に触る。
それなら自分で手を下せば良いと思い立ったあの日、結局私は椅子から足を離せなかった。
私が幸せになるには……誰かに殺してもらうしかない。死ぬ直前になって私が嫌だと泣き叫んでも、絶対に止められないように。
だからここで終わりを迎えたい。
でも、もしも。みんなで脱出できるようになってしまったら。
その時は……自分でやるしかない。
「私には良いアドバイスは出来ないのですが……私がいつもやってる、勇気を出す方法を教えましょう。」
『方法?』
「はい。少しだけ…そうですね、三十秒とか……自分で時間を決めて、その時間だけは踏み出すと決めるんです。
たったの数秒……そう思えば、案外挑戦できるモノです。
勇気を出した後のことは考えませんね。やってから考えるようにしています。」
数秒、勇気を出すと決める……
『なるほど……ありがとうございます。今度実践してみます。』
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でででででん(プロフ) - ぁぃぅぇぉさん» (ニッコリ) (2020年8月19日 6時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
ぁぃぅぇぉ - 待って最初のやつポルナレh...やっぱなんでもありません (2020年8月19日 5時) (レス) id: 4f6210d2fe (このIDを非表示/違反報告)
でででででん(プロフ) - キミ死好きさん» 分かってくれる人がここに…!!ありがとう。 (2020年4月22日 10時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
キミ死好き - まぁあの笑顔みたいな顔iPadの壁紙にしてるから分かるよ (2020年4月22日 10時) (レス) id: bf60227ed4 (このIDを非表示/違反報告)
でででででん(プロフ) - キミ死好きさん» レコの生存ルートで、アリスがボンゴを渡した時に発生する最後のイベントが本当に好きなので……ごめんなさい。 (2020年4月21日 9時) (レス) id: ff25803fe7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:でででででん | 作成日時:2020年3月30日 19時