生存率12.5% しかし生きて帰れば 0.0% ２ 【キミガシネ】

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昔のレコさんは、今とは違う人間だったと聞かされた。


弱者でも努力をしないような人には厳しかったそうで。彼の口から飛び出す彼女の人間性を聞けば聞くほど、今とは全く違うということが私でも分かった。


そんな彼女が所属していたバンドは、その性格で次々に人が抜けていったらしい。

そのため、アリスさんがいつも骨を折りながら代わりの人間を探していたそうだ。




そんな彼女がまるで別人のように変わったきっかけは、アリスさんが引き起こした殺人事件だと暗い顔で教えてくれた。




ボンゴは兄が妹に贈った楽器ということも教えてくれた。


それまでの話から、先程彼が狼狽えた理由がよく分かる。





『そうだったんですね。』

「………」

『じゃあさっそくメダルを交換して、レコさんに渡しに行きましょう。』

「ま、待って！！待ってちょうだい！！こ、心の準備が……」





気持ちは分からなくもないけれど。

目の前で乙女のような動きをする成人男性を見て、少し呆れる。





『……はぁ、分かりました。ただし二日後までには渡しに行ってくださいね。』

「うぐ……オレも男だ…二言はない。」

『当たり前ですよ。今更約束を破るつもりなら、小指に向かって何か重いものを投げつけます。』

「……何だその地味で嫌なヤツは。」





そこから言葉が途切れて、しばらく沈黙が流れる。

しかしお互い沈黙が流れた程度のことを気にするような心を持っておらず、そのまま数分を過ごした。





「……今朝のお前の兄の話がまだ終わってなかったな。」

『ああ…そう言えば、そうでしたね。……続き、聞きます？』





そう私が聞くと、目で早く話せと続きを促してきた。





『えっと…どこまで話しましたっけ……ああ、そうそう。八つ当たりされたところまでですね。その後……』





そこまで話して、また遮られた。今度はケイジさんとソウさんの珍しい組み合わせによって。

最後まで話せない呪いでもかかっているんだろうか、と思うほどによくこの話は何かに邪魔をされる。





『あれ……随分珍しい組み合わせですね。』

「はは……ボクもそう思うよ……。カンナが夕飯を食べている間、アトラクションを攻略しようと思ってね。」

「おまわりさんはソウのアトラクションのパートナー兼、代わりの監視役さ。」





そこまで説明を受けて、ようやくこの組み合わせに納得がいく。

それから、しばらく自分が何も口にしていなかったことに気づかされた。

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