青空を見たい2

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薮side



あれからあっという間に月日は流れてコンサートも始まった。



なんならあと3回でこのツアーは終わってしまう。



あと3回で、伊野尾は表舞台から降りることになる。




ほんとにここまでよく頑張ったと思う。このツアー中はライブ中だけじゃなくてほかの仕事中も何回もぶっ倒れそうになってたけど、持ち前のプロ根性で持ちこたえてた。




そのせいで何回もケンカしたけど笑笑



あれからいい意味でぶつかり合えるようになった俺ら。





お互いに包み隠さず自分の気持ちを言うことで伊野尾も少し気が楽になることが多かったみたい。





「伊野尾、無理すんなよ？」



「ん、分かってる…」




ほんとかよ。


顔色最悪だぞ。




だけど、やっぱりステージに上がればきっちりアイドル伊野尾慧をやってのける。



MCになれば水分を取りに行く振りをして薬を飲ませないといけない。




ライブ中くらい薬のことは忘れさせてやりたいけど、飲まなきゃさすがのこいつのプロ根性でも無理がある。




「遅い、」


「もぉ、やぶうるさい……」


「お前一応な、水分取りに来ただけなんだからちょっとは急げ？」



「…はいはい。ひかるかたかぎが良かった…」



「え？なんて？」



「なんでもないよーだっ」



「あっ！おいこら！急に走るな！」




最近ではこうやってはけた時にふざけられる余裕も出てきた。



しんどいのには変わりはなさそうだけど。





あと、3回。



いや、もう今日は半分まで来たからあと2回。



こいつが悔いなく治療に入れるように、俺らが最後まで1番に伊野尾を楽しませてやりたい

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