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薮side
「……やぶ、なんでさっき泣いてたの?」
「ん?」
「おれのせい?」
「違うよ、伊野尾のせいじゃない。」
「……じゃあなんで泣いてたの?」
「……」
とてもじゃないけど言えない。伊野尾との思い出を思い出してたら泣けてきたなんて。
これじゃあ伊野尾のせいって言ってるようなもんだ。
だけど今、俺のせいで目の前の伊野尾の瞳に涙の膜が張っていく。
「なんでお前が泣くんだよ〜笑笑」
ついにこぼれてしまった涙を親指で優しく拭ってやる。
「……だって、やぶ教えてくれないじゃん…。わかってるもん。やぶが泣くなんておれのことしかないじゃん……」
「んだよ、その変な自信は笑笑」
「……だっておれのやぶだもん」
「ははっ、そっか。そーだよな………………っ、ふっ、」
「やぶ…なんで泣いてるの?教えてよ……おれだけやぶに頼りっぱなしなんてやだよ…おれにも分けてよ………」
「…………っ、ふぅっ、ごめ、ごめん」
あぁ、伊野尾の前では泣かないでおこうって決めてたのに。
ほんとだめだな…
「……伊野尾との思い出。」
「へ?」
「伊野尾との思い出思い出してた。この写真見てるとさ、思い出しちゃうの。楽しかったことも嬉しかったことも、悲しかったことも苦しかったことも、全部に伊野尾がいたんだ。けど、もし、伊野尾が…消えてしまったらどうしようって、思っちゃうんだよ…」
「……大丈夫だよ。おれつよいもん。絶対なんて根拠ないけど、戻ってくるもん。だからやぶは笑って待ってて?」
おれ、やぶの笑った顔大好きなんだ。そう言ってふにゃりと微笑んだ伊野尾は今までより少し、強く見えた。
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琳(プロフ) - ぱこさん» そう言ってもらえて嬉しいです!ありがとうございます! (2018年5月1日 20時) (レス) id: e962c1ecea (このIDを非表示/違反報告)
ぱこ - 面白いです!頑張って下さい! (2018年5月1日 10時) (レス) id: 5430c3bb20 (このIDを非表示/違反報告)
琳(プロフ) - ぜらにうむー。さん» ですよね笑笑またなにかあればご指摘よろしくお願いします笑笑ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2018年3月7日 22時) (レス) id: e962c1ecea (このIDを非表示/違反報告)
ぜらにうむー。(プロフ) - いえいえ! 前にもあったような気がしますね〜笑。この小説大好きなので、何故か言いたくなります笑。これからも更新頑張ってください! (2018年3月7日 21時) (レス) id: fa79175199 (このIDを非表示/違反報告)
琳(プロフ) - ぜらにうむー。さん» すみません!こちのミスです……前にも同じことがあったような笑笑ご指摘ありがとうございます! (2018年3月7日 21時) (レス) id: e962c1ecea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:琳 | 作成日時:2018年3月3日 21時