ヒトリゴト。 (ページ19)

今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:86,431 hit

＊ページ19

薮side

そしてそんな俺たちに大きな進展があったのは5人で遊びに行った時だった。

｢ねぇ～、どこいく？？｣

｢スポッチャとかは？｣

｢いのちゃんが運動苦手だからダメ｣

｢あ、そっか｣

｢あ、………えと、…｣

｢ん？いのちゃんどした？｣

｢な、…んでも、ない、｣

｢………そっか｣

そう言って頭を優しい顔で優しく撫でる光。
これも、よく見る光景。

｢あー、じゃあカラオケは！？｣

大ちゃんが空気を変えようと提案を変えてくれたけど、それ地雷じゃね？

あ、でも話せないだけで歌えるのか？
そんな気持ちも込めて伊野尾のほうを見る。

｢伊野尾くん、歌える？｣

｢………｣

高木に聞かれてふるふると無言で首を横にふる伊野尾。

だよな。うん。

｢じゃあ、カラオケはなしだな｣

｢…い、｣

｢ん？｣

｢み、みんなの、うた……ききたい…｣

｢｢｢｢…………｣｣｣｣

今、何が起こった？
伊野尾が初めて自分の思ってることを口にした…？
しかも泣きそうな顔で…
そして俺たちの歌を聞きたい、と

｢いや、可愛すぎんだろ｣

｢あれはダメだろ｣

なんてさっきの伊野尾にメロメロになった俺達は目の前にいる本人なんてお構い無し。

当の本人はなんのことって顔してるけど。

｢うっし、じゃあ行きますか！｣

｢おー！｣

｢大ちゃんうるさいよ｣

｢ひかが冷たい｣