4色に染められて。（浦島坂田船）

所有物 ページ36

｢まさかそれ、つけるの…？｣

｢ん、もちろん。
お前はこの船の所有物だから、その証。｣

ほんっと、こいつは人権ってものを知ってるのか。

何度も言うように、覚悟は決めた。

首輪くらいどうってことない。

｢はい、つけたら？｣

｢おー、威勢いいな｣

首輪が首に巻かれる。

ヒヤリとした感触がくすぐったい。

カチ、と金属の音がして、首輪が装着された。

｢似合ってるよ？｣

｢嬉しくないから｣

｢フーン、、｣

ていうか、服破られてからそのままだし、一応胸元手で隠してるけど、そろそろ着替えたい。

｢ねぇ、着替えるから外出ててもらえる？｣

｢えー？着替えんの？

じゃあさ、俺の目の前で着替えてよ。｣

｢は！？嫌よ！｣

この人何言ってんの！？本当最低！

｢ふ、冗談だよ。

じゃあさっさと着替えてこいよ。

着替えたら、西の一番奥の部屋に来い。

そこに俺ら4人待ってるから。｣

(ﾊﾞﾀﾝ

浦田はそう言って出ていった。

｢…はぁ｣

さっき噛まれた首が痛い。

血は止まっているっぽいけど…

なんか噛まれた時に唾液がついたのが気持ち悪い。

この船のやつらにとっては、私のペンダントなんてただの安物なんだろうな。

でも、私は違う。

あれは、両親と私の大切な思い出なの。

…まぁ、そんなこと言っても、心のないこの船の人たちにはわかりっこないんだろうな。

西の部屋→←首輪

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