4色に染められて。（浦島坂田船）

よろしくな？ ページ34

「っはは！あはははは！」

私が答えると、浦田は高らかに笑いだした。

「おっ前おもしれぇなあ！
普通の女はこんな脅され方したら、
パニックでまともに会話できなくなる奴がほとんどってのによ。」

「……バカに、しないで。
生半可な覚悟で、この船に乗ったんじゃない。」

本当言うと、嘘だった。

声の震えを隠すのに必死だった。

すごく怖かった。

今にも泣き出してしまいたいくらい。

けれど、この船に乗ったのは私の身勝手。

その身勝手のせいで、
みんなを危険に晒すなんて絶対に嫌。

だったら私は、たったひとつの選択肢に縋ってみせる。

今まであの4人にされたことを考えると、
気持ち悪くて怖くて仕方がない。

そんな下衆い奴らが言うことなんてどこまで本当かも分からない。

嘘をつかれてるかもしれない。

けど、今の私には、その嘘を信じることしか出来ないから。

「フン……じゃあ、こらからよろしくな。」

「よろしくなんて、しない…っ。
あんた達のことは利用するだけ……！」

「ハッ。上等だよ。」

オトすなんて、どうやったらいいか分からない。

でも要点はそこじゃない。

オトせないなら、
私の故郷に手出しが出来ないようにすればいい。

つまりは、殺してしまえばいい。

人を殺すなんてしたことない。

けど、私は……

みんなを守るためなら、何だってしてみせる。

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