ニガテな上司（センラ）

＊ ページ12

自身の身体の変化に気づいたのは、

浦田くんとそういう行為をしてから

少し経ったあとだった。

生理が来なくなったのと、少しの吐き気。

検査薬で確かめると、案の定陽性だった。

私は嬉しかった。

大好きな人との赤ちゃん。


「ね、浦田くん……」

「んー？？」

「あの、ね…私ね、赤ちゃんできたかも…」


きっと、浦田くんも喜んでくれる。

そうワクワクしながら妊娠を告げた。

けど、浦田くんの表情は私の期待とは裏腹に、

とても曇っていた。


「浦田くん…？」

「……ごめん…。堕ろしてもらえないかな……。」

「え……？」

「お金は俺が払うから。だから…」


なん、で……？

なんで「堕ろせ」なんて言うの…？

仮にもあなたの子供なんだよ…？


「浦田くん…どうして？

不安だから？だからそんなこと言うの？

私は産みたいよ…」

「……」

「ねぇ、2人の赤ちゃんだよ…？

嬉しくないの……？」

「…ごめん……」


なんで…？

昨日まで、あんなに私の事「好き」って言ってくれてたじゃない。

ぎゅーって抱きしめてくれたじゃない。

Aが大学卒業したら結婚したいね、

なんて言ってたじゃない。


「なんで、なの……？

理由言ってくれないと、納得出来ないよ…」

「……実は、俺…」


「既婚者で子供もいるんだ。」

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