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出社して数十分、
私は通いなれた道を歩いていた。
次の角を曲がればジェヒョンの住むマンションが見える。私は意を決してスマホを取り出し、ジェヒョンに電話をかけた。
「もしもし、ジェヒョン」
「、、A？」
「うん。もう家着いたよ」
「わかった、ちょっと待ってて」
そう言うと、電話の向こう側からジェヒョンの声が聞こえなくなった。それと同時に、何やらバタバタと慌ただしい音が聞こえる。
その音に耳を澄ましながら、マンションの上側を見上げると、玄関から顔を出したジェヒョンが小さく見えた。
「A、入っておいで」
「うん」
玄関口から言われた通り、私は彼の部屋の前まで歩いて行った。その間も、いつもとは何か違う胸の高鳴りが続いている。
そんな私の様子を怪訝に思ったのか、ジェヒョンは『何してんの』と言い、私の左手を強く引っ張って部屋に引き入れた。
「ちょっと、腕、痛いよ」
私がそう言って彼の手を振り払うと、ジェヒョンは溜息をついて、私を上下に舐め回すように見つめた。
「、、A、何か今日いつもと違う気がする」
「え、違うって？」
彼の言葉に、一瞬胸がドキッと高鳴った。
『いつもと服のジャンルが違うこと気づいてくれたのかな？』なんて嬉しく思っていると、ジェヒョンは私の髪を撫でながら顔を近づけた。
そんな行動、ジェヒョンは今までしたことがなかったから、余計に混乱して私は彼をまじまじと見つめた。
「香水か？」
「え、香水？」
「、、Aの髪から男がつけそうな香水の香り、する」
「男？」
予想外の言葉に、何それと思ったのもつかの間、『もしかしたらウィンウィンの香水の香りが私に移ってるのかも』という焦りに変わった。
私はジェヒョンに変に勘違いされたくないと思いつつ、どう返答していいのかわからず狼狽えていると、先にジェヒョンが口を開いた。
「ま、いいや。早く部屋入って」
彼はそれだけ言うと、私から手を離しそそくさと部屋の奥に入って行った。その様子をみて、正直『え、それだけ？』と私は呆然とした。
香水の香りに反応したから、私に男の影が薄ら見えて嫉妬してくれたのかと思ったのに。
それに、いつもより念入りに化粧直しや服の確認もしたのに、そういう所には一切気づいていないっぽい。
そう思うと、私一人だけ高揚していたことが恥ずかしくなり、先程までの楽しみだった気持ちがガクッと崩れた。
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ももの木(プロフ) - haruk1204さん» コメントをして頂き、ありがとうございます！今後もよろしくお願いいたします。 (2022年10月29日 23時) (
レス) id: 15bd7255da (このIDを非表示/違反報告)
haruk1204(プロフ) - 超絶楽しみです！これからどうなるのか凄いワクワクします！更新楽しみにしてます♡ (2022年10月26日 1時) (レス) id: d1652f67c1 (このIDを非表示/違反報告)
ももの木(プロフ) - 朽ちるズさん» コメントを下さり、ありがとうございます！お返しが遅くなってしまい申し訳ありません。今後ともよろしくお願いします♡ (2022年2月4日 17時) (レス) @page35 id: 013577f937 (このIDを非表示/違反報告)
朽ちるズ - 凄く面白いです〜♡ジェヒョンと主人公ちゃんとウィンウィンの三角関係めちゃくちゃ好きです♡！！！応援してます！！ (2021年11月14日 19時) (レス) @page34 id: 2e68ed41e7 (このIDを非表示/違反報告)
ももの木(プロフ) - 秋涼さん» コメントして頂き、ありがとうございます！この作品のウィンウィンを好きでいて下さって本当に嬉しいです！これからもよろしくお願いします！ (2021年8月23日 0時) (レス) id: 013577f937 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ももの木 | 作成日時：2021年8月4日 18時
