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「あ、ここの角曲がったら会社着きます」
「おっけ〜い」
数分だけ回り道をし、私達はあっという間に目的地である会社に到着した。
『あぁ、仕事か。現実に戻されるの嫌だな』と、マイナスな感情で心が埋め尽くされ項垂れていると、ウィンウィンが私の肩を叩いてきた。
「A、これ」
「え、何ですか？」
ウィンウィンの方を振り返ると、彼は私の手のひらに何かを押し付けた。よく見てみると、名刺のようなサイズのカードに連絡先が書いてあった。
「いや、そういえば連絡先も渡してなかったなと思って」
「確かにそうですね」
「なんか順番おかしくなっちゃったけどね。でもまぁ、いつでもこの番号に連絡してくれればいいから」
ウィンウィンはそう言うと車から降りて、私が乗っていた助手席側の扉を開けてくれた。
エスコートをされるのが初めてだった私は多少緊張しつつ、お礼を言って車から降りた。
「ウィンウィン、何か色々迷惑かけてごめんなさい。それと、ありがとう」
私の言葉に対し、彼はゆっくり首を振ると、『俺が好きでやったことだし』と呟いて運転席に乗り込んだ。
「気にしないで。それと、連絡待ってるからね」
「は、はい、ありがとうございます。でも、何でそこまでしてくれるんですか？」
「そりゃ、好きな人に辛い思いさせたくないしね。じゃあね、仕事頑張って」
ウィンウィンはそれだけ言うと手を振り、すぐに車で走り去った。私は、彼の言葉に嬉しくなりつつ、車が消えるまでその場に立ち尽くしていた。
その間、『何か昨日の夜から、これまでの私では想像できないようなことが沢山起きたなぁ』と改めて頭の中で一連の出来事を振り返った。
ウィンウィンは、知り合ったばかりの仲にも関わらず、朝ごはんから送り迎え、服まで用意してくれた。それに加え、聞きたくないはずの話も真剣に聞いてくれた。こんな至れり尽くせりしてくれた人は、これまでの人生で初めてだ。
それと比較しジェヒョンは、私の話をちゃんと聞いてくれたことはロクに無い。それどころか、いつも起きたらすぐ私の家から出て行く。
『そんな薄情な男のどこが良いんだよ』と自分でも改めて思ったが、やっぱり好きという気持ちは変わらなかった。
一方で、尽くしてくれたウィンウィンに惹かれているかと言われれば、正直、私にはまだ分からなかった。
どちらかと言うと、ジェヒョンへの罪悪感や気持ちが残っているような感覚に陥っていた。
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ももの木(プロフ) - haruk1204さん» コメントをして頂き、ありがとうございます！今後もよろしくお願いいたします。 (2022年10月29日 23時) (
レス) id: 15bd7255da (このIDを非表示/違反報告)
haruk1204(プロフ) - 超絶楽しみです！これからどうなるのか凄いワクワクします！更新楽しみにしてます♡ (2022年10月26日 1時) (レス) id: d1652f67c1 (このIDを非表示/違反報告)
ももの木(プロフ) - 朽ちるズさん» コメントを下さり、ありがとうございます！お返しが遅くなってしまい申し訳ありません。今後ともよろしくお願いします♡ (2022年2月4日 17時) (レス) @page35 id: 013577f937 (このIDを非表示/違反報告)
朽ちるズ - 凄く面白いです〜♡ジェヒョンと主人公ちゃんとウィンウィンの三角関係めちゃくちゃ好きです♡！！！応援してます！！ (2021年11月14日 19時) (レス) @page34 id: 2e68ed41e7 (このIDを非表示/違反報告)
ももの木(プロフ) - 秋涼さん» コメントして頂き、ありがとうございます！この作品のウィンウィンを好きでいて下さって本当に嬉しいです！これからもよろしくお願いします！ (2021年8月23日 0時) (レス) id: 013577f937 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ももの木 | 作成日時：2021年8月4日 18時
