番外編：ジェヒョンくんと1日遅れのクリスマス�� ページ36
それは１年の終わりを迎える直前にやってくる。
慌ただしい時期に、忘れていたかのように急ぎ足で。
それは恋人たちを幸せで包み、子供を笑顔にする。
いつか自分に大切な人ができたなら。
一緒に特別な夜を過ごしたいと思っていた。
それが、憧れだった。
なのに。
『あ、ジェヒョンくん！おかえりなさい』
JH『遅くなって…ごめん』
『大丈夫だよ！それより寒かったでしょ？お部屋あったかくしといたよ』
JH『……すげーうまそうな匂いする』
『でしょ？(笑)ご馳走たくさん作ったの！あ。でも先に手、洗ってきてね』
１２月２６日。ラジオ終わりの深夜１時。
急いでタクシーに乗ってAの住むワンルームを尋ねれば、暖かい部屋と食欲をそそる良い匂いで出迎えられた。すっかり韓国語が上達した彼女に背中を押され洗面所に通される。鏡にうつる自分を見た瞬間、深いため息が漏れた。
(クリスマス、間に合わなかった)
これまで恋人らしい恋人がいなかった俺にとってクリスマスは、イコール仕事のようなもので。自分には縁がないものだと決めつけていた。でも今年は違う。愛するAがいる。帰るべき場所がある。それでも、仕事を休むことはできなくて。
(クリスマス、間に合わなかった)
ポッケに隠した小さなプレゼントをギュッと握りしめる。１ヶ月も前に購入したものだ。クリスマスに渡そうと、心に決めていたものだ。
『ラザニアがもうちょっとで焼けるから、先に座って待っててね』
楽しそうにオーブンを覗き込むA。腰には俺が以前贈ったエプロンが巻いてあった。その姿を見て心が痛くなる。甘い痛みじゃない。つらい痛みだった。
『できたできた！お待たせ〜！』
JH『…』
『チーズがいい具合ですよ〜！早く食べなきゃ！』
こんがりと焼きあがったラザニアをテーブルの中央に置き、俺の向かいに座ったA。まるで今日がクリスマスかのように。夜の７時かのように明るく振舞って。遅れてきた俺に文句の一つも言わない。そんな君に甘えて結局、彼氏らしいことの一つもできない俺。
・・・最低だ。
JH『ごめん』
『えっ…？』
JH『クリスマス。一緒に過ごせなくてごめん』
『あー、なんだ。そんなこと？』
JH『だよな、最低だよな………え？』
『よかった。ジェヒョンくん元気ないから体調でも悪いのかと思った』
JH『よかったってお前…大事なことだろ、』
ホッとしたような声色に驚いて、俯いていた顔を上げる。
そこには、大好きな笑顔があった。
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smiley_heram(プロフ) - うわわわわわ！めちゃくちゃキュンとして思わず泣いちゃいました…本当にいつも感動をありがとうございます！いつも応援してます！ (2019年1月3日 17時) (
レス) id: 4d5c582579 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - やったー！大好きなお話だったので、続編嬉しいです！！楽しみにしてまーす( ^ω^ ) (2018年10月30日 21時) (レス) id: 9488cd6895 (このIDを非表示/違反報告)
メェネェ(プロフ) - とても好きな作品なので削除はつらいです。 (2018年10月27日 23時) (レス) id: f6ab9f70c2 (このIDを非表示/違反報告)
さーちゃん(プロフ) - このお話に出会ってからNCTを知ることができました。完全に削除するんじゃなくてパスワード限定公開とかにはしませんか？？このお話は私の精神安定剤です。わがままですいません。 (2018年10月26日 19時) (レス) id: fabce44eac (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - 続編、番外編とても楽しみにしていたので残念です。何回も読み直したり楽しく拝見していたのでシリーズごと削除されるとのことでショックです…今後書き直して再度アップすることもないのでしょうか？ANAさんの作品が好きなので悲しいです。でもこれからも応援します。 (2018年10月26日 15時) (レス) id: da6d9d40c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ANA
| 作成日時：2017年10月3日 14時
