54話 ページ4
「ゆきこオンニ〜これどういう意味？」
「んー？」
半ば強制的な”オンニ”呼びが板についてきた、６月上旬。
午前の授業を終えたばかりのあたしたちは、昼食を持参して自主的にお勉強会を開いていた。
私よりも４つ上のゆきこちゃんは、今日もお化粧バッチリで、赤い唇がとても可愛い。
「それにしてもあんた、すっごい韓国語上達したよね」
「え？そう？」
「うん。発音ばっちりだし…もしかして彼氏でもできた？」
「…へ？」
「外国語覚えたいときは、その国の彼氏作るのが一番早いっていうじゃん？どうなの？」
ニヤニヤ笑いながらサンドイッチを頬張るゆきこちゃん。
彼氏なんて…いるはずないじゃん。
「そんな人いないよ…バイト始めたからだよ」
「ふぅ〜ん？」
「本当だってば。バイト先のアジュンマがいつも韓国語教えてくれるのっ」
「そんな必死にならなくても笑」
あたしは今、嘘をついた。
真っ先に思い浮かんだのは、金髪の彼の顔だったから。
ふんわりした笑顔も、時々見せる男らしい顔も、
ハイライトのように浮かんでは、頭の中に居座っている。
(もう３週間も、幸福亭に来てないね…)
”腹減った”って言って、大きな口でご飯を食べる姿を早くみたいなって。
いつもこっそりジェヒョンくんを待ってるんだって言ったら、きっと笑われちゃうよね？
「ま。そういう人ができたら、すぐに教えてね？」
「…」
「A？」
「あの…」
「ん？」
「ゆきこちゃん…ゆきこオン二、アイドル好きでしょ？」
「なによ今更」
「あの…NCTってグループは…人気？」
「え？好きなの！？」
「そ、そういうわけじゃないんだけどっ」
「えーっ誰推し？Aは…ウィンウィンとか好きそう！」
「う、ウィ？」
あたしの口からアイドルの名前が出るのが嬉しいのか、わかりやすくテンションが上がるゆきこちゃん。
「一番人気はテヨンかな！やっぱり！」
「てよん？」
「と、ジェヒョンもかなり人気よね！」
「！！！」
「何、ジェヒョン推し？わかるよ、イケメンだもんね〜。ま、私はユタが好きだけど！」
ほら。と言って、ジェヒョンくんもいるNCTの集合写真を見せてくれたゆきこちゃん。
にっこり笑う彼しか、目に入らないし、説明するゆきこちゃんの言葉も、聞こえなかった。
(ジェヒョンくん…)
やっぱり会いたいなって思ってしまう。
食べかけのお弁当は、なかなか減らないし。
胸がそわそわして落ち着かないの。
それはなぜだか…もうわかっているはずだよね？
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smiley_heram(プロフ) - うわわわわわ！めちゃくちゃキュンとして思わず泣いちゃいました…本当にいつも感動をありがとうございます！いつも応援してます！ (2019年1月3日 17時) (
レス) id: 4d5c582579 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - やったー！大好きなお話だったので、続編嬉しいです！！楽しみにしてまーす( ^ω^ ) (2018年10月30日 21時) (レス) id: 9488cd6895 (このIDを非表示/違反報告)
メェネェ(プロフ) - とても好きな作品なので削除はつらいです。 (2018年10月27日 23時) (レス) id: f6ab9f70c2 (このIDを非表示/違反報告)
さーちゃん(プロフ) - このお話に出会ってからNCTを知ることができました。完全に削除するんじゃなくてパスワード限定公開とかにはしませんか？？このお話は私の精神安定剤です。わがままですいません。 (2018年10月26日 19時) (レス) id: fabce44eac (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - 続編、番外編とても楽しみにしていたので残念です。何回も読み直したり楽しく拝見していたのでシリーズごと削除されるとのことでショックです…今後書き直して再度アップすることもないのでしょうか？ANAさんの作品が好きなので悲しいです。でもこれからも応援します。 (2018年10月26日 15時) (レス) id: da6d9d40c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ANA
| 作成日時：2017年10月3日 14時
