62話 ページ12
スポットライトの隙間から、たびたび見える客席。
グリーンのペンライトがゆらゆら揺れて最高の景色だけど、その中から１人の人間を探し出すのは至難の業だった。
たまにぐるりと客席を見つめる。でも、Aらしき人影は見つからない。
(あいつチビだし、埋もれてるんだろうな…)
そうこうしているうちに、あっけなく終わってしまった俺たちのナンバー。
『ジェヒョナ！！』
『テヨ〜ン！！』
客席から聞こえる、愛しいペンからの声援。
一つ一つに応えたいけど、これは生放送だから。素早くステージを去らなくてはいけない。
メンバーが急ぎ足でステージを降りる中、最後まで舞台に残った俺。
少し息の上がった顔で客席を見つめるけど、もう時間は無い。
DY『ジェヒョナ、そろそろ！』
ステージ袖の階段をなかなか降りない俺に、ドヨンヒョンが声をかける。
その時だった。
『…くーん！』
JH『！』
『ジェヒョンくーーーん！！』
歓声の中ちいさく聞こえた、大好きな人の声。
(うそだろ…)
遠くばかりを見ていた俺にとって、まさか最前列にいるなんて夢にも思わない！
数メートル先にいたのは、後ろからの圧にもみくちゃになりながら、必死に手をふるAだった。
『かっこよかったよー！おつかれさまー！！』
JH『〜〜ありがとう』
不自然なまでにAを見つめて、放ってしまった言葉。
俺が気づくと思わなかったのか、本人も目を丸くしている。
(やべ。もう降りなきゃ…)
『見たか！！あいつ俺の方見て喋ってたぞ！！！』
『どうみたってAじゃん。ドコはAが目立つように手を振ってただけだろ』
『えー！！Aばっかりずるい！！』
『うるさい。ほら次始まるよ』
(え…？)
女性のペンが多い中で目立つ、男性の声。
残り香のように耳に入ってきた会話は、さっきAの横に居た、男たちのものだろう。
(あいつら、”A”って言ってた。まさか、知り合い…？)
もやもやした気持ちのまま戻った、バックヤード。
(１人で来ているはずなのに。…学校の友達？でも、女友達の話しか聞いたことない。じゃああいつらは誰なんだ？)
TY『どうかした？顔色悪い』
JH『いや…』
TY『そう？A、ちゃんとステージ見れたかなぁ？ユノ、聞いといてね！』
JH『…はい』
(楽しかった！おっぱたち本当にありがとうございます！)
(次は掛け声も覚えてこいよ！当たり前の精神だからな！)
(もう暗いから、早く帰りな〜)
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smiley_heram(プロフ) - うわわわわわ！めちゃくちゃキュンとして思わず泣いちゃいました…本当にいつも感動をありがとうございます！いつも応援してます！ (2019年1月3日 17時) (
レス) id: 4d5c582579 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - やったー！大好きなお話だったので、続編嬉しいです！！楽しみにしてまーす( ^ω^ ) (2018年10月30日 21時) (レス) id: 9488cd6895 (このIDを非表示/違反報告)
メェネェ(プロフ) - とても好きな作品なので削除はつらいです。 (2018年10月27日 23時) (レス) id: f6ab9f70c2 (このIDを非表示/違反報告)
さーちゃん(プロフ) - このお話に出会ってからNCTを知ることができました。完全に削除するんじゃなくてパスワード限定公開とかにはしませんか？？このお話は私の精神安定剤です。わがままですいません。 (2018年10月26日 19時) (レス) id: fabce44eac (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - 続編、番外編とても楽しみにしていたので残念です。何回も読み直したり楽しく拝見していたのでシリーズごと削除されるとのことでショックです…今後書き直して再度アップすることもないのでしょうか？ANAさんの作品が好きなので悲しいです。でもこれからも応援します。 (2018年10月26日 15時) (レス) id: da6d9d40c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ANA
| 作成日時：2017年10月3日 14時
