45話 ページ45
(ジェヒョンオッパですか？)
ふと、ジェヒョンくんの後ろに、気付けば立っていた2人組の少女…
まだ10代だろう。黒髪に化粧気の無いあどけない顔が、ジェヒョンくんをじっと見下ろしていた。
…知り合いかな？
『えっと』
JH『(静かに)』
『え…？』
アップルパイをそっとサイドバックに戻したジェヒョンくんが、少女たちに応えようとするあたしを無言で制した。
そのまま手際よく荷物をまとめて立ち上がると、座ったままのあたしをじっと見つめて…何かを諦めるような顔をして、振り返る。
(どうしたの…？)
『きゃぁあっ！ほんとだ！本物だっ！！』
『でしょ！！だから言ったじゃん！！オッパ〜！！握手してくださいっ！！』
JH『もちろん、応援ありがとう』
『『きゃ〜〜！』』
『・・・』
(え…？)
『オッパ、どうして釜山にいるの？そのヒトは…？』
JH『雑誌の撮影に来てるんだ。今は休憩時間で、彼女は…雑誌の編集をしている方だよ。お世話になっているんだ』
『え〜〜でもスケジュールに無かったよ、毎日チェックしてるのに…』
JH『単独の仕事だから、極秘なんだ。だから、内緒にしてね？』
『うん、オッパも体調には気をつけてね…いっぱい食べてね…』
JH『ありがとう』
ありがとう。
ネイティブな会話についていけず、ジェヒョンくんの最後の言葉だけが理解できた。
よそ行きの、でも優しい声のジェヒョンくんに、頬を染めて詰め寄る少女たち。
なんだかこの雰囲気はまるで…まるで…
(芸能人とファンって感じ…なんだけど)
JH『…場所を変えよう』
『…あ、う、うん』
JH『驚いた？』
『え、っと。うん』
去って行った少女たちと、正反対の道へずんずんと歩きだすジェヒョンくん。
置いて行かれないように必死で付いて行くけど、ちょっと、早いよ。
『さっきのって…』
JH『アイドルなんだ』
『！』
JH『分かったと思うけど、俺、アイドルなんだ』
信号待ち。
ようやく止まったジェヒョンくんの足。
少し息の上がるあたしが追いついたタイミングで言われた、言葉。
(アイドル…ジェヒョンくんが…？)
深く被った帽子の先にある表情は暗くてよく見えない。
信号が青に変わった瞬間にまた歩き出した彼は、どこへ向かっているのだろう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2163人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「NCT」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あとむ(プロフ) - 是非是非続きを書いてください！！毎回めちゃくちゃ楽しみにしてます!!!!!! (2017年10月2日 22時) (
レス) id: 00cb297c2f (このIDを非表示/違反報告)
は。(プロフ) - いつも更新楽しみにしています★是非是非！続きお願い致します！！ (2017年10月2日 20時) (レス) id: 81f6a51ace (このIDを非表示/違反報告)
ルミ(プロフ) - 読みたいです！この作品大好きなので続けてほしいです。いつまでも待ってるので続き書いてくれると嬉しいです！！お願いします！！ (2017年10月2日 20時) (レス) id: 16dfec7bec (このIDを非表示/違反報告)
KAORI(プロフ) - 是非続きをお願いしたいです！毎回ワクワクしながら読ませていただいてますし、何回も読み直しています。二人のこれからがとても気になります！！宜しくお願いします！ (2017年10月2日 19時) (レス) id: 4a4a6be8af (このIDを非表示/違反報告)
りり - 毎回楽しみに読ませて頂いてます〜！ジェヒョンだけじゃない他のメンバーの会話も凄く好きです！是非ご自身のペースで完結まで書き続けて欲しいです^^ (2017年10月2日 10時) (レス) id: 43ac158a05 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ANA
| 作成日時：2017年1月3日 23時
