39話 ページ39
JH『こいつは俺の友達、ジュヌ。こっちは日本の留学生A』
『こんにちは、Aちゃん』
『アニョハセヨ〜』
JH『釜山駅まで来てくれると思わなかった。ありがとな、ジュヌ』
『何言ってんだよ。当たり前だろ？』
笑顔で握手を交わしたのは、俺の数少ない親友の一人、ジュヌ。
中学を卒業してすぐに釜山へ引っ越してしまったジュヌは、いまは両親の跡を継ぐため新米漁師として海に出ている。
こうして大人になった今も…アイドルになっても、気軽な関係でいられる大切な存在だ。
『お前も隅に置けないな』
JH『？』
駅の近くで路駐していたジュヌのトラックに乗り込めば、Aに聞こえない程度の耳打ちをされる。
『Aちゃん、かわいいじゃん』
JH『なっ！』
『いつから付き合ってるの？半年前に連絡した時はそんな感じなかったよな？俺にくらい報告してくれても良かったんじゃない？』
JH『まだそういうんじゃないから！』
『ふーん、"まだ"ねぇ…』
ニヤニヤと笑みを浮かべながらハンドルを切る男に、殺意が湧く。
それを振り切るように、隣に座るAに目をやれば、車窓から見える景色を楽しんでいるようだ。
JH『…もう少しで海が見えるよ』
『海かぁ！ごはん、たのしみだね！』
JH『Aはサーモンだもんな。いっぱい食おうな』
『うん！』
バックミラー越しに見える、金髪の親友の姿。
少し痩せたように見えたけれど、その顔はゆるゆると幸せそうな笑顔で。
『(デレデレか)』
久々に連絡を寄越したと思えば、メシが大好きな友達にうまいメシを食わせてやりたい。なんて。
そのために釜山までくるか？と思ってはいたけれど…
(こりゃうめぇメシを食わせないとなぁ)
坂を越えた向こう側に見えたのは、青い海。
天気に恵まれたこの日は、まるで空と海が混じり合うかのような、美しい光景が広がっていた。
『さぁ、到着っと』
『うわー！ありがとうございますっ』
『いいって。ここはタクシーのおっちゃんでも分かりにくいからね。ほら。手、貸しな』
『わ、すみません』
JH『…』
まだ賑わっている魚市場の関係者駐車場。
背の高いトラックだからと、Aちゃんの手をとってエスコートをすれば、ジェヒョナから無言の圧力が。柔らかい女の子の手をそっと触っただけ(言い方)だろ。
『さてはお前、Aちゃんと手を繋いだことないな』
JH『うるさい。友達なんだから当たり前だろ』
『は。都会の男とは思えんのー』
JH『…釜山では普通なの？』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2162人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「NCT」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あとむ(プロフ) - 是非是非続きを書いてください！！毎回めちゃくちゃ楽しみにしてます!!!!!! (2017年10月2日 22時) (
レス) id: 00cb297c2f (このIDを非表示/違反報告)
は。(プロフ) - いつも更新楽しみにしています★是非是非！続きお願い致します！！ (2017年10月2日 20時) (レス) id: 81f6a51ace (このIDを非表示/違反報告)
ルミ(プロフ) - 読みたいです！この作品大好きなので続けてほしいです。いつまでも待ってるので続き書いてくれると嬉しいです！！お願いします！！ (2017年10月2日 20時) (レス) id: 16dfec7bec (このIDを非表示/違反報告)
KAORI(プロフ) - 是非続きをお願いしたいです！毎回ワクワクしながら読ませていただいてますし、何回も読み直しています。二人のこれからがとても気になります！！宜しくお願いします！ (2017年10月2日 19時) (レス) id: 4a4a6be8af (このIDを非表示/違反報告)
りり - 毎回楽しみに読ませて頂いてます〜！ジェヒョンだけじゃない他のメンバーの会話も凄く好きです！是非ご自身のペースで完結まで書き続けて欲しいです^^ (2017年10月2日 10時) (レス) id: 43ac158a05 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ANA
| 作成日時：2017年1月3日 23時
