すべては。（赤） (ページ14)

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お店に着いて

渋谷で予約してあると伝えると

可愛らしい笑顔の店員さんが奥の個室へと案内してくれた。

ふぅ…ここに先輩が居るんだ…

テレビでは飽きるほど見ていたけど

直接会うのなんて久しぶり。

緊張してなかなか入れないでいるけど

意を決して個室の扉を開けた。

「すばる先輩、お久しぶりです」

彼とわたしの目が合って

先輩は少し目を見開いたあと

『久しぶり、老けたなぁ』

なんて、なんとも先輩らしい

失礼な言葉を頂いた。

「先輩だって、人のこと言えませんよ」

『ふは、せやな。』

でも、

「そうやって、可愛く笑うのは変わってませんね」

『お前もな、』

わ、心臓が破裂しそう。

なんとかポーカーフェイスを保ってるけど

内心、きゃーきゃー言ってるもん。

『それより、お前準備おそすぎやわ』

「だってぇ」

『だってじゃないわ、あほ
どんだけ待たせるつもりやねん』

「先輩のために頑張ってきたんですけどね～

そういう女、嫌ですか？」

ちょっと、ふざけて言ってみた。

「や、嫌やない。
やって、俺のために頑張ってきたなんてめっちゃ可愛いやん？」

え、え、可愛いだって

可愛いだって！

まぁ、笑いながら言ってるから

本気で言ってるわけじゃないんだろうけど、