超特急のお気に入り

○I fall in love…？ 5 ページ33

〜拓弥side〜







拓弥「オタク怖ぇ…笑」





『オタクなめないでください！！

……それに拓弥さんの演技結構好きなんですよ。』





拓弥「馬鹿女」





これ以上感情を悟られないように言ってみた





なにせ、酔いなんて遠に覚めてしまっていた





何故、俺がこの女に弱音を綴ったのかは分からないけど





…悪くはなかった





こいつならいいかななんて思ってしまった自分がいたから




結論、馬鹿みたいな言葉を必死に伝えてくるこいつを見てたら




心が温まった





それから特に大した話もせず、


星を見ながらマンションまで送った





『…拓弥さん今日はありがとうございました』




拓弥「おう、じゃあまた」





大したことのない秘密の夜はすぐに終わった






適当に手を振りマンションの外に出る




拓弥「…まぁまぁいいとこ住んでんな」




見上げると結構デカくて



あ、匠海くんもここだっけ




拓弥「…っくしゅん！！…う、さみい」




馬鹿じゃね？俺


頭のおかしい女わざわざ身の危険晒してまで送ってさ


慰め求めてさ





何やってんだよ、

太陽の彼女で匠海くんの好きな子じゃん





拓弥「俺、何がしたかったんだよ…」






まぁいい、こんな夜もう二度とない




明日になったら全て消える…






『…拓弥さーーーーん！！！！はぁっ、はぁ！


はぁーーっ！！やっと追いついた！』





さっき送った女が全速力で追いかけてくる





拓弥「え、何やってんの」





『マフラー！！借りたままだったからっ

あと、カイロ！』





拓弥「なにそれ笑


別に良いのに」





『駄目です！！！

拓弥さんが風邪引いちゃどれだけの人が心配すると思ってるんですか！』




少し怒った顔で見上げてくる


なんでアンタが怒んだよ





拓弥「アンタは？」






俺が風邪引いたら…心配すんの？






『当たり前じゃないですか〜！


私は元気な拓弥さんに下げずまれた…わっ！！


…たっ、拓弥さ？』





拓弥「…ごめん



……最初で最後だから」






大したことのないはずの夜に



大きな秘密ができた






衝動的に抱き締めてしまって確信した





自分の気持ち





何気付かせてくれてんだよ…馬鹿女









『…拓弥さんっ…誰かに見られたら…』






拓弥「ごめん…もうちょっとだけ」







この夜が明ける頃には


この気持ちが消えています様に…









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