超特急のお気に入り

○The sloth ページ28

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「…い！」





『ん？…や、だから…王子食べたい…』









拓弥「通報すっぞ」




『わぁ？！？！へ？！拓弥さ…』




枕元から聞こえるトーン低めの声




それイズLINE電話の通話画面






『なんで私拓弥さんと電話してるんですか』




拓弥「や、俺がかけたんだけど。

お前寝ぼけて出るとか何様なの？」





やばい…朝っぱらから俺様な拓弥さんとかいい寝覚め過ぎるぅ！！！





『いや、シンプルにアラームだと思ってました…ドジぺろっ♡』





拓弥「オタクのお前なら分かるだろ？

その台詞言って許されるのは祐基だけ」





『異論は無いです』





愛すべきドジっ子は世界中で彼だけだ




うんうんと一人で頷いていると


少し間を空けて拓弥さんの声が聞こえた






拓弥「…あれから無事帰れたの？」





『あー…はい。帰れましたよ』





ふと思い出してしまうのは昨夜の匠海



スノーボールの味






出しっ放しのWiiリモコンを横目に



気持ちを落ち着かせようと小さく深呼吸をした






拓弥「へぇ〜匠海くんとなんかあったんだ」



『な、なんですとぉぉ？！？！？！』





いきなりの冷静な一言に自分でもびっくりするくらい声が出た





拓弥「や、分かりやすいよ。あんたら」



"ら"とは…




『そんなことないです』




拓弥「あるの」




『………どうしよう』






恋愛って必然的に何かを失うんだな




就寝前そればかり考えていた






昔からよくやる匠海との楽しいスマブラ会で




どれだけ敵をぶっ飛ばしてもスッキリなんてしなかった






拓弥「どうせそんなもんだろうと思ったよ


…こうなったのは俺も責任を感じてる


だから今日夜会お


話聞いてあげる」






拓弥さん優しいなぁ……



優しい〜………



…ん？！






『で、ででで、おデート？！？！？！』





駄目よ…わたしには太陽さんが…





拓弥「お前ってほんと馬鹿だよな


渋谷駅の南改札に10時に集合


あ、変装してこいよ。じゃ」




『ぬぁ？！』





ープツン






…え





…拒否権というものは…？







ま、まぁいいや…






今日暇だったしどうせゲーム三昧コースになりそうだったし









ーピロン





…あ、といちゃんからLINE







『なになに…えーとお前そろそろ学校こい留年するぞ？




…えー………どっちも嫌ですっと、送信！』









こんな怠け者だ






これが私なのだ









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