超特急のお気に入り

○Painful ページ38

〜Aside〜







…何着て行こう




何枚も服を並べる




どれもカジュアルな系統




その中で一枚だけ浮いているガーリーなワンピースを手に取る






『…こーゆうの…好きそうだなぁ王子は』






恐る恐る袖を通す






『…ぶ！！！似合わない！！！


はははは！！


やーばーいぃぃっ！！！





………泣きそう』






女の子っぽくなりたい…









ーガチャッ







匠海「来たよ…って部屋汚なっ」





入るや否や超絶嫌な顔をする匠海





『だって最近匠海が定期的にお掃除しに来ないもん』






Aちゃんは他人のせいにするのが得意なのだ！






ピースサインを匠海の頰に押し付けると、

肌が私よりすべすべモチモチで腹が立った







匠海「はい、髪巻くからじっとしてて」






匠海が私の髪に指を通す





人に頭触られるのって、なんだかくすぐったいんだよな…




けれど安心する





いや、匠海だからかな？








匠海「軽く編み込んでハーフアップしていい？」






『…ん？うん。』







匠海が髪型提案してくるなんて珍しい







匠海「…よし、出来た

完成。こっち向いて？」






相変わらず手際がいいのう





『わーい！ありがと…？』






何故か複雑な表情を浮かべる匠海



釣られて似たような表情になる






匠海「…ふっ、なんでお前もそんな顔してんの？笑」





鼻を引っ張られる



…もげる








『じゃあ匠海はなんでそんな顔してんの？』







匠海「…ごめん



俺の手で俺の好みの髪型をしたお前を

太陽さんの前に出してやろうって思った…ごめん」







そんな台詞言われる日が来るなんて




ほんと何があるかわからない








『…何それ』




匠海「怒る？」




『怒らないよ』





怒れないよ…






匠海「じゃあ俺行くね

楽しんで」






早々に荷物をまとめて部屋を出ようとする匠海







『まっ、まって！！

お、お茶！お茶飲んでく？


あ、お菓子あるよ！！！


…た、匠海が作ったやつのが美味しいけど…』







思わず引き止めてしまう馬鹿な私




匠海はわざと早くこの部屋を出ようとしてるのに




引き止める権利なんて私にはないのに









匠海「……何笑

珍しい


………大丈夫だよ


その服も似合ってる


……可愛いよ」





ずるいほど切なく微笑む匠海




乱雑に私の頭を二、三回撫でると部屋を出ていった





『…髪ボサボサになるじゃん』






.

○Date 1→←○Passing

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