jack.01 ページ3
「…掴めないな」
声を少し低めて呟いたのは、愚痴とも言える言葉だった。
…その理由は他でもない、自分と対なるアルカナを持つ黒ジャックの行方についてだ。
あれ以来行方を眩ませ、噂を耳にしてもすぐに何処かへと移り変わる。探していてキリがないのが現状だ。
「…スペードの国にいると聞いたが」
そうして噂の場所へと足を運ぶも既に遅し黒ジャックはいないようで肩を落とす。
…何故いないのか。
疑問でならなかった。
.
―…隅々まで探したはずだがキル・セイラのキすら出てこない始末。
「…彼奴は何が目的だ」
黒アルカナであるからには世界を滅ぼすことが大半の目的であるのだろう。その為にも俺を消してからでないと駄目だと言うのに。
…何故彼方からこない？
首に手を添えながら思考回路を巡らす。
――すると、それを切断するように声が掛かった。
「あれ？君、蓮玖…だよな？」
途端にかかったのは少年の声だった。聞き覚えのあるような声に振り向くと、其処には柔らかな茶髪を風に靡かせた少年が立っていた。
たしか…彼はスペードの国でパン屋を営むシャロン・コールリッジ。前にパンをご馳走になったことがある。
「…あぁ。久し振りか？」
「そうだよ。あれから見てないから。…良かったら上がってけよ、最近動きすぎだろ？」
「…」
「何で知ってるのか、って顔…だな」
…正直に言って図星だったから反応が遅れた。どうやら俺が動き回って黒ジャックを探していると言うのは噂になっているらしい。
「…皆、ビクビクしてんだ。噂は早い…かな。」
苦笑いを浮かべながら言うシャロンに俺も少し表情を歪める。
そんな俺に気づいたシャロンは励ますかのように肩に手を置きながらパン屋の入り口の方へと体を向けた。
ラッキーアイテム
革ベルト
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Noah(プロフ) - 征鬼さん» ありがとう(^人^)嬉しいよ( ´艸｀)これからも頑張ります！(^^) (2014年7月11日 22時) (携帯から) (
レス) id: d37f8ae8d8 (このIDを非表示/違反報告)
Noah(プロフ) - 冬暮雪麗さん» そう言って頂けると嬉しいです…！ありがとうございます、頑張りますね！ (2014年7月11日 21時) (携帯から) (レス) id: d37f8ae8d8 (このIDを非表示/違反報告)
征鬼(プロフ) - ジャック編完結おめでとう！！続編も楽しみにしてるね！！(ノ´∀｀*)これからも頑張れ！！((o(^∇^)o)) (2014年7月11日 18時) (レス) id: 468a52fde1 (このIDを非表示/違反報告)
冬暮雪麗(プロフ) - 続編楽しみにしてます!! がんばってください！ (2014年7月11日 18時) (レス) id: f596d484e0 (このIDを非表示/違反報告)
Noah(プロフ) - 大殿さん» はい、とうとうです！頑張りますねo(｀^´*) (2014年5月7日 20時) (携帯から) (レス) id: d37f8ae8d8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Noah | 作成日時：2014年4月12日 16時
