350mlとミザリー【一次創作】 (ページ2)

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「うん、わたしが喋ってる。離してくれない？大丈夫だから」
「あ……う、うん」

手の力を少し緩めると、猫ちゃんはストンと綺麗に着地した。

「えっと、猫ちゃん……迷子？」
「ん……捨てられちゃってお散歩してたらここで迷っちゃって」
「え……捨てられてたの！？」

確かによく見ると暫く手入れされていないような毛並みをしている。

「……うーーーん、私が拾ってあげたいのはやまやまなんだけど、私の家ボロアパートだし……あと、猫アレルギー……だし……」
「あんた猫アレルギーだったの……早く言ってよ、こっちが申し訳なくなる」
「いいのいいの、目の保養だから……猫ちゃん、私が新しい飼い主さん探してあげるよ」
「え、ちょっと、いいから……！」

日が落ち始めた街。白く塗装された地面がオレンジ色に染まる時間。
この時間帯、人はなかなかいない。猫ちゃんを花束と一緒に抱えて近くの階段を駆け上がる。
……遠くに人の影を見つけた。とりあえず声をかけてみよう……！

「＿＿＿＿この猫ちゃんの飼い主さんになってくれませんか！！！！」