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「ちげぇよ。」

「え、違う?」




卒業式。彼女は二人の同期と共に、3人の後輩に見送られながら卒業した。そんな彼女の手にはツーカートンのタバコが握られていた。





「私が吸ってんのはLARK。これはマルボロな。」

「赤いやつでしょ?」

「赤LARKとマルボロじゃ全然違うだろ。よく見ろ。」





五条は首を傾げる。「どっちも同じじゃん」という五条の脛を蹴りあげると、Aは夜蛾に直談判しに行くことにした様子で夜蛾の元へとだるそうに歩く。脛を蹴りあげられた五条はその痛みに悶え蹲る。





「学長、なんであのバカに買いに行かせたの。」

「自分が買いに行くとうるさくてな……不備があったのは謝る。今月はそれで我慢してくれ。」

「いいよ。後で五条さんに買い直させるから。」





そう言いながら、彼女はマルボロのカートンを開けてそこから一箱取り出した。





「LARKなんてよく吸えるね。」

「そう?硝子さん嫌い?」

「まぁ、女ウケの悪い味と匂いはしてるな。女の子に嫌がられない?」

「確かに女ウケしないけど、文句言われたことないかも。」

「顔がいいからかな。」

「私も別に味が好きで吸ってる訳じゃないよ。吸ってたら定着しただけ。吸えりゃなんでもいい。」





じゃあ文句言うなよ、と誰しもが思ったことだろう。家入は禁煙しろという気配もなく、タバコを吸う彼女を見ながら小さくため息をついた。





「おい、後輩の前で吸うなよ。卒業式だぞ。」

「まぁまぁ、卒業式だし好きにやっちゃおうぜ!」

「こいつはいつでも好き勝手やってんだろうが……」





眞門は溜息をつき、がしがしと頭をかいた。彼女の自由奔放で傍若無人な性格は日に日に悪化しているように見える。あの禪院家での一件以来急加速だ。きっと夏油より先に五条に拾われていたならば、この状態のまま出会うことになっていただろう。





「先輩たちももう卒業かぁ……」

「早かったね……A先輩、卒業してもたまに手合わせしてくださいね……!」

「澤野との手合わせで一本取れたら考えてやる。」

「うぅ……」





後輩二人との距離は、今や見ていて微笑ましいほどには縮まっただろう。家入に促され、同期3人と写真を撮る彼女を遠目で見ながら小さく息を吐いた。





「無事に卒業出来て何より。」





誰一人欠けることなく卒業。呪術師をやっていれば奇跡のようなものだった。自分の教え子たちが揃って卒業する姿を見ると、酷く安心できた。

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- とても面白くていつも続きを楽しみにしてます。更新頑張ってください! (5月23日 15時) (レス) id: c9a43346ff (このIDを非表示/違反報告)
sou(プロフ) - あれ??五条先生オチ??ってなってます笑笑これからどんな風に夏油さんオチになるのか楽しみです!! (2022年1月21日 15時) (レス) @page28 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
五条彩香(プロフ) - 更新お願いします。・゚・(ノД`)・゚・。。・゚・(ノД`)・゚・。。・゚・(ノД`)・゚・。 (2021年5月11日 1時) (レス) id: 387b7f4b11 (このIDを非表示/違反報告)
Suzu(プロフ) - 匿名さん» そういう言い方はやめたほうが…… (2021年4月30日 17時) (レス) id: 11ffe6e997 (このIDを非表示/違反報告)
五条彩香(プロフ) - wkwk(((o(*゚▽゚*)o)))wkwk (2021年4月29日 16時) (レス) id: 387b7f4b11 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年4月17日 0時

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