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「近頃の僧侶って……執着心激しいんだねぇ……びっくりだよ。」
彼女はそう言って、何事も無かったかのように体勢を戻した。
「そうまでして私の力が欲しいのか、あの坊主は。」
「…………なぜ動ける。」
「お前らの頭は飾りか?私の術式は自然を操る。この世のほとんどが、自然があることで成り立っているんだ。災害も、天候も、全て自然。そして私の体内に取り込まれている酸素に至る全てが自然のおかげで成り立っている。
私は、体内にある毒素さえも操るんだよ。自然を味方につけるというのはそういうことだ。」
壱哉はぎりっと歯を鳴らした。そんな中、弐葉が声を上げて笑う。その表情は恍惚と心を奪われるような、興奮が浮かんでいた。
「流石だよ禪院A!!!さすが……さすがは俺を負かした女だよ!!!
やっぱり欲しいなぁ……その力、その表情……全部壊したくなるなぁ……♡」
目を三日月形に歪め、彼女に歪んだ愛情を向ける弐葉。彼は彼女に酔いしれていた。あの時の翠色の光。あの時の人が変わったような彼女の表情に、自分を軽蔑するような視線に。全てに酔いしれ、それはいつの間にか歪んだ愛へと変わっていた。
「俺が今日この日をどれだけ楽しみにしてたか……君に分かる?」
「……キチガイ野郎の考えてる事は、私にはわからんねぇ。」
「ははっ……ラルゥ、こいつは俺が仕留める。それでいいんだよねぇ?」
「………傑ちゃんからは、生きて連れ戻すようにと言われてるわ。それが出来るなら、任せましょう。」
「任せなよ!俺が今までどれだけ苦労して……この女を仕留めるだけの力を付けてきたのか見せて______」
弐葉の言葉は続かなかった。ごとり、弐葉の首が地面へと転がる。その場の空気が変わった。
「長ったらしい話は嫌いなんだよ。自分の成長を見せたいガキの言い分は良いが、私のことを何時まで嘗めてるつもりだ?
お前がちっぽけな成長を遂げている間、私はその何百倍も強くなってる。女を嘗めるからそうなるんだ。それと訂正しておくが、私はもう禪院じゃない。今は伏黒だ。」
先程まで彼女が立つていた場所には足跡ひとつ残っていない。伊集院兄弟のすぐ後ろに立っている彼女の手には
大きな呪具が握られていた。その呪具の刃には血が滴っていた。
「さぁ、残り二人の成長度、私が見てやるよ。
_______生きたままなんてぬるいこと言わず、殺す気で行こうぜ?お坊ちゃん方。」
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夜 - とても面白くていつも続きを楽しみにしてます。更新頑張ってください! (5月23日 15時) (レス) id: c9a43346ff (このIDを非表示/違反報告)
sou(プロフ) - あれ??五条先生オチ??ってなってます笑笑これからどんな風に夏油さんオチになるのか楽しみです!! (2022年1月21日 15時) (レス) @page28 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
五条彩香(プロフ) - 更新お願いします。・゚・(ノД`)・゚・。。・゚・(ノД`)・゚・。。・゚・(ノД`)・゚・。 (2021年5月11日 1時) (レス) id: 387b7f4b11 (このIDを非表示/違反報告)
Suzu(プロフ) - 匿名さん» そういう言い方はやめたほうが…… (2021年4月30日 17時) (レス) id: 11ffe6e997 (このIDを非表示/違反報告)
五条彩香(プロフ) - wkwk(((o(*゚▽゚*)o)))wkwk (2021年4月29日 16時) (レス) id: 387b7f4b11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年4月17日 0時