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「うぉぉぉおおおおお!?!?」
「うるさっ……」
「え、うるさ。」
「え、俺が悪いの!?!?」
朝イチ、同期の顔を見ればどうだろう。長かった同期の髪がバッサリとショートカットになっていた。
「お、おま、……お前髪は!?!?」
「切り落とした。」
「切り落とした!?!?」
「以上。」
「以上ってなんだよ説明してくれよ!?!?」
「太良〜朝からうるさいよ〜早く席ついて〜」
「五条先生!!Aの髪が!!!!」
何も状況を把握出来ていない箕野は大騒ぎだった。御三家に挨拶に行っていただけの筈の同期の髪がバッサリ切られていた。おまけに何だかどことなく吹っ切れたようで、雰囲気が変わったようにも見えてきた。これでもし胸がなければ男に見えてしまうのではと言うほど男前で何だか悔しかった。
HRの時間を使って説明をしてもらったはいいが、ちんぷんかんぷんだ。何が一番意味が分からないかって、話によればまだ美容室に行けていない無造作カットだと言うのにめちゃくちゃ様になっているということ。
「え、、なんでお前そんな……そんなイケメンなの……?」
「男のプライド傷付けちゃってごめんね。」
「今ので余計傷ついた。」
「いやぁ〜……髪切るとあのクソ野郎にそっくりだね。流石兄妹。瓜二つだよ。これで口元に傷が出来たらもう本人だよ。」
「付けてやろうか。」
嫌味な程に笑みを浮かべてナイフを口元に当てるAに「しなくていいしなくていい!!」と五条が慌ててそれを取り上げた。
「でもお前……これからどうするわけ?」
眞門が訊ねる。禪院の名を捨て、そして再び禪院家当主として戻ってくる。彼女はそれまでの間禪院の名を名乗れないということになる。彼女は女ではあるが、禪院家次期当主候補としては一番の有力候補。それは誰しもが頷くその実力が故だ。然し、場合によっては別の人間がなるという可能性もある。そうなれば二度と禪院は名乗れない。それはそれでいい未来だが。
「まぁ、当分は兄の姓を名乗ることにした。」
「兄貴……って、その人も禪院だろ?」
「婿に入ってたんだよ。養子の娘と、実子が一人。母親は蒸発、父親は育児放棄で家に帰らず。そして、僕が殺した。」
「何その子達。壮絶なる人生歩んでて涙出てきた。」
箕野は思わず目頭を抑えた。それと同時に、こいつもそんなふうになるのかなと心配にさえなってくる。
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夜 - とても面白くていつも続きを楽しみにしてます。更新頑張ってください! (5月23日 15時) (レス) id: c9a43346ff (このIDを非表示/違反報告)
sou(プロフ) - あれ??五条先生オチ??ってなってます笑笑これからどんな風に夏油さんオチになるのか楽しみです!! (2022年1月21日 15時) (レス) @page28 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
五条彩香(プロフ) - 更新お願いします。・゚・(ノД`)・゚・。。・゚・(ノД`)・゚・。。・゚・(ノД`)・゚・。 (2021年5月11日 1時) (レス) id: 387b7f4b11 (このIDを非表示/違反報告)
Suzu(プロフ) - 匿名さん» そういう言い方はやめたほうが…… (2021年4月30日 17時) (レス) id: 11ffe6e997 (このIDを非表示/違反報告)
五条彩香(プロフ) - wkwk(((o(*゚▽゚*)o)))wkwk (2021年4月29日 16時) (レス) id: 387b7f4b11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年4月17日 0時