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「そんな話があるかいな!!!そいつは女やぞ!!!今までに女が当主になったなんて歴史があったか!?あらへんやろ!!!」





声を荒らげる直哉。Aは静かに立ち上がると、直哉の胸ぐらを掴み上げた。





「ぎゃーぎゃーとうるっせぇんだよ猿。弱い男は慎ましくそこでお座りしてな。」





直哉の呼吸が一瞬のうちに乱れた。その目、その気迫、その雰囲気、全てがあの男(甚爾)と同じだった。同じだけのフィジカルを持ち、フィジカルを引き立たせるだけの術式を持っている。こんな女が。女ごときに。女のくせに。





「クソ(アマ)がァ……!!」





伸ばされた直哉の手がAに触れる事はなかった。それよりも先に、直哉の体が襖を破って庭へと蹴り飛ばされた。次期当主候補であった直哉が意図も簡単に蹴り飛ばされてしまったのだから、使用人たちがざわざわと騒がしくなった。

Aはそんなものを無視して縁側へと出ると、直哉を見下ろした。





「私の3歩目の前を歩いてみろ。後ろから突き刺して殺してやる。」





蛇に睨まれた蛙とはこの事だ。動けないのだ。あの男と同じ血だというだけなのに、そっくりだった。Aはくるりと方向を変えた。





「帰るよ。」





その言葉は誰に言われたものか。そんなの分かりきっている。眞門は立ち上がると「はいはい」と気の抜けるような返事をする。





「おい、、!」





眞門家の当主が呼び止めたが、眞門はちらりと当主の方を見て笑った。





「俺、自分より弱いやつの言うこと聞きたくねぇのよ。」

「なっ………!」

「総司、早く。」

「五条先生は?」

「あの人当主だから、あとから来るでしょ。」






眞門家当主の事など気に求めず、二人はその場を後にした。五条はぷるぷると身体を震わせて小さく笑う。そして、直毘人も声を荒らげて笑った。面白い奴だと。

今まで得体の知れぬ子供だと思っていたが、存外面白いものかもしれない。直哉が当主になるよりマシだろう。直毘人は思い切り笑い、満足したあと一息ついて酒を煽った。





「会議は閉会だ!!各自戻れ!!!!」

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- とても面白くていつも続きを楽しみにしてます。更新頑張ってください! (5月23日 15時) (レス) id: c9a43346ff (このIDを非表示/違反報告)
sou(プロフ) - あれ??五条先生オチ??ってなってます笑笑これからどんな風に夏油さんオチになるのか楽しみです!! (2022年1月21日 15時) (レス) @page28 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
五条彩香(プロフ) - 更新お願いします。・゚・(ノД`)・゚・。。・゚・(ノД`)・゚・。。・゚・(ノД`)・゚・。 (2021年5月11日 1時) (レス) id: 387b7f4b11 (このIDを非表示/違反報告)
Suzu(プロフ) - 匿名さん» そういう言い方はやめたほうが…… (2021年4月30日 17時) (レス) id: 11ffe6e997 (このIDを非表示/違反報告)
五条彩香(プロフ) - wkwk(((o(*゚▽゚*)o)))wkwk (2021年4月29日 16時) (レス) id: 387b7f4b11 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年4月17日 0時

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